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漫画や偉人を見るうえで見落とされがちなところ

 


 文中に引用したダルビッシュ有さんの言葉、ほんとうにいいことを言っています。彼の発言を聞いて感じたことと最近読んだ少年漫画を読んで感じたことを繋げ合わせて今回の記事を書きました!



見落とされがちなものとは


 ある者は鬼の支配から人間を救い、あるものは勇者の剣をひっさげ魔王の討伐を果たし、またあるものはサッカーで全国制覇あるいは世界一の地位を獲得した。漫画やゲームの主人公が成しえることは非常に大きく現実世界であれば英雄視されるだろう。

 
 子供たちはそうした主人公に憧れる。「イナズマイレブン」が流行ったときはみんながサッカーを、「ハイキュー」が流行ったときはバレーボールを、「鬼滅の刃」が流行ったときは剣道部の入部希望者が増えるなど。それぞれ人気が出た時期は異なるけど、学生が主人公たちに憧れる気持ちは変わらない。


 私も小学生の時「イナズマイレブン」や「ダンボール戦記」とかいろいろ見ていて、友達とそのことで話し合うのを楽しみにしていた(LBXごっことかしてたな懐かしい笑)。けれど今振り返ってみると、どうして雷門イレブン/イナズマジャパンは日本一あるいは世界一を取ることが出来たのだろうか、この一点については考えたことがなかった。

 なんとなく主人公だから勝つだろうと無意識に思っていたのかもしれない。ではもし現実の世界で全国制覇をするならどのようなことが必要だろう?


 我々読者は主人公の偉業や行動ばかりに注目しすぎて、肝心な点を見落としているのではないだろうかと思う。それは主人公が目標達成のために行ってきた努力のことである。

 漫画では、格上の相手に完敗する⇒修行する⇒リベンジを果たす、の話の筋がよく見られる。完敗とリベンジの話は詳細に書かれるが、修行のシーンをことこまかに描いている漫画は全然ない。修行初日の様子はたいてい書かれてるけど、修行全体のことは、「数か月に及ぶ修行を彼は毎日続けた」とか、「幾多の試練を乗り越えてついに再戦の時を迎えた」だのほんの数行、もしくは数ページしか取り上げられていない。

 私はこうした日々の修行のシーンにこそ、主人公の人となりが一番現れるんじゃないかと思っている。なぜなら、努力ってすごい大変なことだから。物事を継続するのにすごいエネルギーが必要となりそれは生半可な信念ではできないことだよ。そのうえで自信を強くするというのは本当にすごいことだと思う。

 だから私は特訓のシーンを通じて主人公の決意とかガッツのある心を見たいんだよ!高潔な想いでなくてもいい、死を賭してでも成しえたい野性を抱いていてもいい、とにかく主人公の「人間」が見たいんだ!

 努力を主眼に置いた漫画を一つだけ知っている。『左ききのエレン』だ。光一、神谷、柳、佐久間、あかり、あやの、ルーシー、さゆり、エレン。彼らの信念強さ、何としてでも理想を体現しようとする姿は本当にすごかったな。

 ただ努力をテーマにするだけで一つの作品が出来てしまうくらいだから、どうしても手短に済ませないといけないんだろうな。そうか書いていて少し納得してしまった。特訓の場面が端おられていても、その後の行動でこいつ成長したな、強くなったなとその人の信念強さが感じさせられるような漫画を読んでみたいな。


努力、それは憧れと現実をつなぎとめるもの


 人の努力を見るとはどういうことか。メジャーリーガーのダルビッシュ有さんの言葉が非常に的をえていることを言っているので引用しよう。

やっぱり大谷君はすごいですよ。みんながホームランやってすげえ、いろいろやってすげえと言うけれど、僕が大谷君のすごいと思うところはそこじゃなくて、裏の部分ですね。日々の過ごし方どういうものを食べているのか、そこがすごい。ていうかそこを見ないとダメなんですよ。でないと大谷君には近づけない。あそこ(ホームランや盗塁の記録)ばかりすげえってなって憧れの目で見て。でもそれを目指さないといけないわけじゃないですか。

【神回③】”二刀流が凄いのではない?"ダルビッシュ有が見た”大谷翔平”と”村上宗隆”の本当の姿‼︎ダル流メンタル術・日本への復帰の可能性について(6:45~)

 そうなんです。やっぱりすごいと言われる人たちの努力の部分を見ないといけないんですよ。本当にすごい言葉だなあと思います。主人公や偉人と言われる人はやっぱり偉人になるべくしてなっているということです。


 漫画の話に戻りましょう。漫画には属性魔法、異世界、海の冒険譚など非日常が展開されている。そんな世界観に包まれたなら、自分だったらこうしたいなと妄想をしたことがあると思います。漫画の世界でなくても、男の子だったら授業中にテロリストが来たらこうしてやろう、女の子だったらイケメンの男子の隣にずっといたいと少なからず思ったことがあるでしょう。


 そうした頭の中で描いたかっこいい自分の姿には、かっこよくなるための裏の努力が必要となるわけです。テロリストと戦うには日々の訓練が必要となり、イケメン男子をしとめるには相手を自分に引き付けるだけの魅力を習得している必要があり、漫画の世界にとばされても、頭に描いた行動はおそらくできないと思います。

 理想に向かう努力をしなければ妄想のままで終わっちゃう。


 最近、「恥じらう君がみたいんだ」という漫画を読んだ。本上、めちゃくちゃかわいいね。あんな子と一緒にいたいな~と思ううちに、自分は白沢のようになにか一つのことに向き合ったことはあるのか、ヤケになったにせよ、自分が創った作品を人々に見せられるような勇気を有しているのか、一人の人間を受け止められるか、自分本位でなくて相手を知るために今何をすべきかを考えられるのかと思いました。やっぱり白沢は彼なりに切り抜けてきたことがあるから本上と一緒にいられるんだね。


 このnoteで記事を書き上げるのも、私なりの努力。ちょっとは前に進めたかな?

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