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町内会⑧:イベントが多すぎる?

1年間、理事(ブロック長)として初めて関与した、町内会。
活動を通して思ったことは多いので、忘れないうちに書き留めておきたい。

町内会活動とは何だったか?と改めて思い起こすと、定例の年中行事をひたすら「消化」すること、と言っても過言ではない。

主にお年寄り向けのバス旅行や芸術鑑賞、焼き芋会、餅つき大会、神社の縁日などの子供向けイベントもあるが、町内会役員・理事が総じて運営スタッフとして参加する大規模な行事としては、公園清掃、納涼盆踊り大会、防災避難訓練、運動会、がある。

1.公園清掃
住民の憩いの場であり、子供の遊び場でもある公園。地域住民自身で大事にすべきですよね。
町内のいくつかの公園の清掃を、町内会主導で年に1、2度、大がかりな草刈り等の清掃を行う。
伸び放題の雑草を刈り込み、ごみ袋数十個分にもなる落ち葉や草木を回収するのはかなりの重労働だけど、大勢でやると捗るし、日常的に自分も利用する公園が自らの手できれいになるのは、気分がいいものである。

ちなみに、息子が所属するチームを含む区の少年野球チームがお世話になるグラウンドでも、そこの町内会からの呼びかけにチームが応え、側溝の清掃を行った。
子供たちが熱い試合を繰り広げた、汗と涙が染み込んだ思い入れのある場所を、対戦相手のチームのパパたちとも一緒に汗を流して掃除するのは、体力的には疲れたけれど苦痛には全く思わず、やはりいい気持ちになった。

2.納涼盆踊り→映画上映会
浴衣姿で炭坑節を踊るお婆ちゃんたちを横目に、お小遣いを握りしめ目を輝かせながら露店をひやかし、金魚すくいやヨーヨー釣りを楽しむ。
子供の頃の夏休みの思い出として、そんなことを覚えている人は多いはず。
この夏の風物詩も、町内会が主催するイベントである。

ここ数年コロナで盆踊りは中止を余儀なくされていたが、子供向けの催しを少しでも復活させたいとの町内会役員の思いを込め、この年は盆踊りに代えて映画上映会を実施した。

業者に依頼して小学校の校庭に巨大なスクリーンを設営し、「ミニオンズ」を上映。既にお馴染みの作品で新しさは無いけれど、夏の夜に外で、親子や友達どうしで映画を見るのは新鮮な体験のようで、概ね好評だったよう。

お開きの合図に打ち上げ花火が数発上がったのも、すごく盛り上がった。
ただ、この花火。サプライズで行うために町内に事前通知をしなかったため、夜中にいきなりの爆音で驚いた、やめてほしかったというクレームも数件受けた、というオチもあったのでした。。

3.防災避難訓練
地震や大雨等の災害で家屋に被害が出る場合、町内会は行政からの要請があり次第、避難場所の設営を担う。(町内会活動で初めて知りました)
地域防災拠点に指定された小学校で、避難者役としての住民の協力の下、体育館に簡易ベッドやテントで宿泊所を設営(実際に泊まった人もいます)、校庭に簡易トイレを設置し、避難してくる人々を受け付けて案内し、備蓄品の食材を実際に炊き出しで配り(賞味期限が切れるものから処分する意味もある)、消防署の協力で消火訓練や救助訓練を行う。。

参加した実感。これ、めちゃくちゃ大事なイベントである。
町内会活動は、他の懇親行事を全てやめて、これ一本に絞っていいくらいだと思う。

実際にやってみると諸々の課題が浮かび上がった。改善すべきと思う。

  • 備蓄品の在庫管理が大変。非常食は避難者数を想定した適切な数量確保が必要だし、食品は賞味期限もある。マニュアル管理なので何がどれだけあるのか把握できない。電子タグ等のIT化で改善の余地あり。

  • 避難者は各世帯で1枚の「避難者カード」を受付で記入して避難所に入る手順がある。実際の災害時には、避難者の人数や名前は行政に報告必要なのはわかるが、紙で記入し目視でチェックのため受付は長蛇の列ですごく時間がかかる。雨や風でカードがダメになることもある。マイナカードと連動させ電子登録する等、IT化は必須。

  • 備品の大釜を使ってご飯(アルファ米)を炊く訓練をしたが、消防署員の手順の指示がやたら細かく、釜を傷つける金属のしゃもじは使うなとか、ピントのずれた指示で、時間ばかり要する羽目に。避難者に迅速に食事を提供することよりも、マニュアルに忠実にやることが優先された感あり。後日予定された非常用ポンプ訓練も署長の急用でドタキャンされるし、消防署の都合に市民が振り回される、何とも滑稽な実態が浮き彫りに。

最も大事なことは「避難者はお客さんではない」ということ。
家が壊れて大変な心労の中で避難してきても、体が元気であれば、体の不自由な方、お年寄りを助けることを含め、自身が率先して働くことが大事なのである。
こう言っては悪いが、高齢者主体の町内会役員だけでは避難所の運営は到底できないはず。
他の親睦行事を減らしてでも、防災避難訓練は年1度でなくもっと頻繁に行い、元気な方々が高い意識を保ち続けられるようにすべき、と思った次第。

4.運動会
小中学校とは別に、町内の親睦目的で、町内会が主催する運動会がある。
徒競走や綱引き等のお馴染みの競技に加え、グラウンドゴルフ等の高齢者向けの運動もあり、世代を超えた参加者が楽しめるようになっている。

特に良いと思ったのは、普段は町内会のイベントに殆ど縁のないであろう?未就学児と、その若い親も参加できるところ。
確かに、保育園や幼稚園に上がる前の幼児たちが、パパやママと手を繋いでかけっこしたりするのは、微笑ましいものである。

勿論ガンバる大人たちが参加者する競争もあって、若い頃にならした健脚を披露するパパ、気持ちに足がついていかずコケるおじさんの姿に、盛り上がるのでした。

とはいえ現実的には、このイベントの最大のお目当ては、豪華賞品。
各種目で勝てば、袋入りラーメンやお菓子等の詰め合わせをもらえる。
一人で何種目もエントリーできるから、結構な量をもらえる。
参加賞もあるし、子供たちは抱えきれないほどの戦利品を獲て、一家で大喜びして帰るのである。

***

このようなイベントが次から次へと続くため、町内会役員・理事は、常に次の行事の準備に追われることになり、負担は大きい。

あと、町内会を代表して参加する役所や警察・消防との会合等は、ほとんど平日の日中に行われるため、会社勤めのサラリーマンでは到底務まらない。

町内会の役員さんの殆どがご高齢で既に仕事は引退されていたり、現役でも自営業のため時間の融通が利く方が多いお陰で、助かっているのが実情。

「自治会・町内会に参加しよう!」と言っておきながら、広報紙配布等の下請け仕事や、自らの都合で平日の会合を押し付ける等、行政自らが若い世代やサラリーマン世代を自治会・町内会から遠ざけ、高齢者に依存せざるを得ない構造を作っていることは、なんとも皮肉で滑稽である。



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