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少年野球⑬:卒団試合、そしてチーム卒団。。

2月に入ると、いよいよ野球チームの活動も卒業(卒団)に近づく。
所属チームで戦う最後の試合は、区内のチームの対抗戦。
最後の卒団試合は、今まで5年生に出番を譲っていた子たちも含め、6年生が主体のチームで戦う。

息子のチームの奮闘を応援するのは当然として、選抜チームの活動を通して対戦相手になるチームの子たちを知ったことで、楽しみがぐっと増えた。
ライバルチームにも選抜チームで一緒に頑張っている子が多くいるから、今までとは見る目が変わり、チームに関係なくみんな頑張れ!と応援するようになった。

さて、我が息子のチームの1回戦。
受験勉強で離脱していた2人のエース級が復帰し6年生8人が久々に揃い、5年生は1人だけの力を借りるベストチームでの試合。
普段は控えに甘んじていた6年生の子がチャンスにスクイズを決め、しかも相手守備が乱れる間に2塁ランナーも生還、という隙のないプレーで快勝!
息子も、打ってはタイムリーヒットを放ち、守っては体を投げ出してファウルフライを捕る好プレーで、活躍してくれました!

そして2回戦の相手は、今まで何度も負かされた、区内最強のチーム。
ドロー運の悪さを呪ったけれど、そんなことは言っていられない!とばかり、みんな頑張りました。
中学受験で離脱していたエースが一世一代の好投を披露、区内屈指の好打者揃いの打線を封じ込めれば、センターを襲う大飛球をダイビングキャッチする超ファインプレーも飛び出し、1失点でしのぐ。
しかしながら、相手投手は区内ナンバー1右腕。そう簡単に打てない。
苦しい中でも元キャプテンがなんとか出塁、何度もチームに勢いをもたらした盗塁で同点を狙うも、捕手の好送球に阻まれる。
続くチャンスで息子に打席が回るも警戒され申告敬遠され、結局得点を奪えず。
最後までホームベースが遠く、0対1で涙を飲んだのでした。。

悔しい負けだったけれど、エラーやミスが両軍とも一つもなく、非常にレベルの高い締まった試合だった。
野球をやりたい思いを封じての受験勉強の毎日から解放され、久々にチームに戻ってきたエース級2人は、やっぱりレベルが違い、頼りになった。
そして、彼ら2人が抜けた後のチームの主将を任された息子を含む6人は、この時はじめて全員と融合し一つのチームになって、最高のプレーを見せてくれた。

5年生の時は抜擢組と補欠組で分断し、その後もいろいろあって、なかなか一致団結できなかった、6年生の8人。
最後には、優勝した区内最強のチームと互角に戦う、素晴らしく強いチームになったのでした。

卒団大会の後、6年生を送り出す「卒団式」を、チームで主催してくれた。
5年生のパパ・ママたちが、これまで数えきれない試合や合宿のシーンで撮りまくった写真から厳選したものを繋いで、チームの成長の過程を振り返るビデオを作ってくれた。
子供たちが泥にまみれて白球を追いかけ、チームメイトと共に喜び悔しがる姿、指導する監督やコーチ、それに応援する家族が見守る姿がつづられた作品はすごくよくできていて、とても感動したのでした。。
スマホに保存して、今でもたまに見ています。

一生懸命にプレーする子供たちは、みんなとてもいい表情をしている。
これだけ一生懸命になるのは監督やコーチの熱心な指導のお陰だし、みんなをそんな表情にさせる野球ってやっぱり素晴らしい、と改めて思った。

思い返せば、4年生の時に「このチームに入りたい」と言いながらも迷っていた息子に「入団して後悔するのと、しないで後悔するのと、どっちが嫌かな?」と問いかけた結果、自ら決断したチーム入団。
あれから始まった、パパもママも巻き込む少年野球オンリーの毎週末も、ついに終わったのでした。

監督やコーチは厳しいし、5年生の時はなかなか試合に出られないし、苦しい思いをしたことも多かったと思う。
それでも野球が好きだから、毎週朝から晩まで練習や試合に明け暮れた日々。
そこで学んだことは、単に野球が上手くなることだけではなく、これからの人生においてたくさんの大切なことがある。

本気で一生懸命に取り組むことが、いかに大事か、いかに難しいかということ。
努力しても一朝一夕には上手くできるようにならないし、相手もある以上簡単には勝てないということ。
だからこそ、頑張った末にいいプレーできたり試合で勝てれば、とても嬉しいし、達成感を味わえるということ。
そしてチームには自分ひとりでなく、声を出して励まし合い、喜びを分かち合い、苦しい時は支え合うチームメイトがいるということ。
更に、ライバルチームの子たちも、野球で繋がる大切な仲間だということ。
そして、野球が思いっきりできるのは、監督・コーチたちやチームメイトのパパやママという、家族や学校の先生以外の大人たちが親身になって支えてくれるお陰ということ。

最近は少子化に加えて野球離れが進み、少年野球チームも全国で減っていると聞く。
事実、私が小学生の頃にあった地元のチームの多くは、いつの間にか消滅している。
我が家もそうだったように、毎週の送り迎えやお弁当作りのサポートは負担だし、ユニフォームや用具を買い揃える出費もそれなりにあるのも事実だから、子供を野球チームに入れるのは親として躊躇する気持ちも、わかる。

それでも、本気で「野球やりたい」と言ってきた息子さん・娘さんをお持ちのパパ・ママの皆さんに、謹んで申し上げます。
ぜひ、いい野球チームに入れてあげてください。
家庭、学校、塾では決して学べない多くのことを経験し、人間として何倍も成長することを保証します。
そして「野球やらせて良かった」と思える日が来ることを祈っております。

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