少年野球⑩:選抜チーム結成!
秋の最後の区大会が終わると、6年生は所属チームからは引退し代替わりとなり、卒業までの間は所属チームから選抜チームに活動の場が移る。
この期間は、様々なチームから数名ずつが寄せ集められたチームがたくさん結成され、その選抜チームどうしの対抗戦が数多く組まれるのである。
慣れ親しんだチームを離れ、これまでライバルだった子たちが同じチームに集まって共に戦うのは、面白い企画である。
選抜チームは諸々あって、区内各チームの主将や精鋭が集う区代表チームがその最高峰になるが、うちの息子はそこではなく(レギュラーは無理かもと判断し、最初から応募もしなかった)、別の選抜チームに参加した。
それまで何度も対戦した同じ区内のチームから数名ずつが集まったチームであるが、各々の所属チームではレギュラー陣との実力差のために、なかなか試合に出られない子が集まったチームでもある。
メンバーの多さや勝利至上主義故に、6年生でも控えが定着して出場機会が与えられない子は、どのチームにも必ず何人かはいるはず。
そういう子たちに試合にたくさん出てもらって、少年野球のいい思い出を少しでも多く作ってもらおうという趣旨の取り組みは、素晴らしいと思う。
しかし、実はこの選抜チーム、夏休み中に開催された日本全国の選抜チームとの交流大会参加のため結成され、これに息子も参加した。
その時の監督さんは「勝敗にかかわらず、全員必ず試合に出す」と明言していた。
さて、初戦。上手なチームメイトが多いので息子はスタメンならず、ベンチで待機。残念ながら出場機会無いまま、敗戦。
2戦目の敗者復活戦では、息子を試合途中から出そうとの首脳陣の声が聞こえ、期待して暑い中応援していたが、結局出たのは試合終了間の外野守備のみ。
出たのは数分間だけ、もちろん打席は回ってこないし、守っても打球が飛んでくることも無かった。
なんのことはない、またも「勝利至上主義」である。
親善目的なので全員を試合に出すと言っていたのに、初戦敗退が悔しかったのか、敗者復活戦は負けるわけにいかないとの思いで初戦と同じベストメンバーで臨み、首脳陣は結局最後まで彼らを交代させなかったのだ。
ちなみに試合結果は?同点のまま時間切れで終了、最後は監督どうしのジャンケンで負け。なんだそりゃ。
それでも息子は「まし」な方で、2試合とも出してもらえない子もいた。
選抜チームって何だよ、と、その時は思った。
また同じ目に遭わされてはたまらないと思いながら、新たに結成された選抜チームでの試合の日々が始まった。
そこで見たものは。。。
とにかく、打てない、守れない。。まるで試合にならない。
特に守備がひどい。まずフライが捕れない。外野に打たれたら即ち失点。
投手も力不足で、四死球連発の後に押し出しや暴投の繰り返しで1イニング10失点、なんてこともあった。
なにしろ控え組の寄せ集め、各所属チームでろくに教わったことすらない不慣れなポジションを守る子がほとんどで、無理もない。
ちなみにうちの息子、このチームではバリバリの主力。本職のファーストやピッチャーはもちろん、未経験のセカンドやサードもやってフル回転!
連戦連敗はもちろん、エラー続出で大量失点の目を覆うような試合ぶりが続いたのでした。。
このチームこれからどうなるの?いつになったら勝てるの?と思うと共に、
このチームで勝ったらきっと感動するぞ、初勝利の瞬間は見逃すものか、それまで絶対応援し続けるぞ、との思いを固くするのでした。
つづきはまた今度。