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【詩】朝陽

猫に生まれ変わったってことにして、
朝陽のなか、眠りについている。
車道の上で、灯火をぼんやり映す街灯のように、漫然と突っ立ったまま、けれども切実に誰かに認められたいと思っていて、
だからこそ、また夜を越してしまったんだ、きみは。
そうして、今まで流れてきた何万、何十万という藍色の空の数だけ、きっと、知ってゆく。
たぶん、きっと、ひとりでも生きていけること。
友達だけがいつの間にか、朝陽に火葬されたように消えて、けれども朝陽は、きみの身体を焼かないし、きみを殺さない。この世界の誰もきみを殺さない。殺さないってだけで、誰も、きみを愛してはいなかった。

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