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風何(ふうか)
2023年9月19日 19:58
文章のふりをした順列みたいな悪夢だ。よく眠るのはつまり、なかば仮装するような調子で、生から逃げたがっているということ。死は、いつでも同じ場所で光っている三等星みたいなものだと思っていた。それなりの輝き、よだかのように悲劇的でも鮮烈でもないけれど、その脇で光っていることが赦されるくらいの、それくらいの担保された輝き。そういう風に、生きているかぎり軽々しく憧れられるものだと思っていたからこそ、僕は生
2023年9月18日 19:11
悴む指先で触れるものが、同じように冬の空気で冷えきっていて、それで、枯れた枝先みたいに、折れかかった状態のまま、凍りついていたのなら、僕だけでなく、この世界のみんなみんな、等しく救われないような気がして、そのことに僕は、少しだけ救われる。温もりという言葉そのものを否定し、温もりという事象そのものを否定し、人為的なもの、その存在すべてをなかったことにして、ただ換気するように、雪風が心臓に到達する、吹
2023年9月14日 20:16
たぶん、この世界のほかのもの、そのすべてに対して綺麗と思う必要がないんだ、もし自分が綺麗ならば。夕陽に目を細めるみたいな羨望で、眩しいけれどそれが遠くにあることをあらためて認識するような感情で、そうしてその自身の感情にも自分で気づかないままで、わたしはずっと世界をみていた。みていたけれど、いつしか気がつく、自分が絵画から出てきたわけではないこと。なにも考えていないのに頬杖をつくのが好きだった。頬杖
2023年9月12日 11:24
結論というものがないから、季節が好きだよ。駅で停まった電車の窓に向かって、自分の持っているものすべてを投げつけたくなった。蝉時雨がさざめく空の下で、もう電車が行ってしまったプラットホームに佇んだまま、ただそこに、永遠に棲みついていたいような気持ちになった。夜みたいに凪いでいた心が、日の光に熱されて、気化するみたいに膨張して、それは特段、そこらじゅうに漂う空気となにも変わりはしないけれど、皮膚に