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詩まとめ

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詩のまとめです。感情が滲み出てくるような詩を書きます。
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2022年6月の記事一覧

【詩】呪詛

認めたくない、認めたくないけれど、ぼくは他の誰かが幸せになるために生まれてきたから、そのことは一生ぼくにのしかかる呪いで、それで、ぼくは知っているのだ。ぼくたちはその呪いがどこまでも繋がっていくことによって何世紀も生き延びていくのだと。
この世界で生を持っている限り、自分のためだけに生きているなんて有り得ないから。そう、ぼくたちは必ず誰かが投げた鎖につながれているから、ぼくはぼくに鎖を投げてきた誰

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【詩】慟哭

泣き方の分からないきみが、顔いっぱいに水を被ったり、しきりに瞼を開いたり閉じたりしてみたり、痛くなりそうなくらいその綺麗な瞳をこすってみたり、唐突に大声を上げてみたりする、けれど、それでも一向にきみの瞳から涙が溢れることはなくて、そんなきみはとてつもなく苦しそうに地面に蹲っていた。
蹲っているきみが言う。涙なんて所詮ただの水滴だと。一方で、人一倍、その涙の透明さに恋焦がれながら。
自分の泣いている

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【詩】蒸発する夢

シャワーを浴びて、身体のありとあらゆる汚れが洗い流されていって、そのたびにわたしは綺麗な自分に生まれ変わることができるのだと、そんな風に思えなくなったのはいったいいつからだろう。
そしてもはや生まれ変わる必要もないと口で言ってしまうくらいに落ちぶれたわたしは、今日も綺麗なものに眉を顰めて、綺麗でないものに冗長な言葉を付け加えて肯定する。みんなそれぞれいいところがあるだなんて能天気な言葉に吐き気を催

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【詩】ふたり

この世界がきみときみの好きなひとのふたりだけだったらいいのにね。きみはそう思いませんか?ぼくは思います。ぼくはきみの世界のなかにいなくてもよくて、きみもきみの好きなひとだけを愛すことができるから。そうなればきっと、きみには「愛の形」なんて言葉も要らなくなる。なにも口にすることなくきみは、きみの好きなひとに好きだと伝えることができる。いくらきみが色んな愛を定義して、ぼくに好きだと言っても、ぼくにはそ

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【詩】書架と夜景

綺麗なものは綺麗なのだと決められていて、綺麗でないものもまた綺麗でないのだと元から決められているから、だからきみたちは、煌びやかに広がる星空だとか、都会の街に立ち並ぶビル灯りだとか、そんなものばかりを見て、それを夜景だと言った。
ぼくは、どこかの夜景の下で恋を謳っている誰かを想像しながら、誰に勧められるでもなくひとりでベランダに立って煙草を吸う。そして途端に意味を持ち始めた星空や、灯りが映って光る

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【詩】輪廻

ぼくが鈍い光を放つ線路の上で粉微塵になったとき、その瞬間ぼくは幼い少女になり、少女になって毒水を飲んで喘いで行き着いたさきは、生まれたばかりの赤ん坊だった。記憶もないまま、自分がどうしてここにいるのかも分からないまま、ほんの少しの欠片にも満たない自我さえ奪われて、それでもぼくに分かるのは、ぼくが神様に嫌われているということだけでした。
100歳まで生きるように言ったそうです。今にも風に飛ばされてし

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【詩】空

きみたちは空の住人を模しているから、だからわたしが自分が嫌いで仕方がないと言うとき、「自分を嫌いになるのは、裏を返せば自分がどうしようもなく大切だからで、大切だということは結局あなたは自分のことが好きで仕方ないんだよ」と矛盾めいたことが言えてしまう。他の人が一見つまらなそうな乾いた大地を注視している、そのことを許せないきみたちは、狂気みたいに今日も上ばかり見ろと言う。あなたの頭上にあるのは雲一つな

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【詩】透明の詩

みんなと同じ青い空の下にいるはずなのに、わたしは机を持ち歩いているみたいにただただ考え続けることしかできなくて、自らの体内から毒素を取り除くことのできないわたしにひとつできることはと言えば、単に跳ねる水飛沫を見ていることだけでした。
制服が周りの誰かよりも白く見えないのはどうしてなんだろう。わたしとわたし以外で空間を隔てているような錯覚があるのはどうしてなんだろう。きっとわたしは言葉を礎に地上に立

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【詩】偽悪者

今日も雨と一緒にあなたが世界を見つめていて、涙を乾かすみたいに太陽を見つめているわたしたちには、その立ち姿を見ているだけで苦しくなるのです。ねえ、教えて。あなたにはあなたの確固たる世界があると本気で信じてるの?わたしは思うんです。あなたが思うほど、あなたには真面に世界が見えていないんじゃないかって。

わたしは知っているんです。あなたは杖に寄りかかるようにして何とか道ゆく道を歩けているけれど、針金

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【詩】偽善者

今日も太陽と一緒に倫理がきらきら輝いて、暗視ゴーグルをつけているぼくたちは、それを見て、一瞬にして目が眩んでしまうんです。ねえ、教えて。きみにはいったい、いくつ目があるつもりなの?ぼくは思うんです。きみが思うほど、きみには真面に世界が見えていないんじゃないかって。
優しいふりをしたきみは、正義感が強くて、悪いことが許せなくて、だから主観が星になることも気にせず許すことが出来るんだね。だからぼくは、

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【詩】涙

あなたは涙しか愛せないのだと言った。どんな人でも涙は等しく透き通っているから。どんなに心が綺麗な人でも、逆に、どんなに心がくすんでいる人でも、涙だけは変わらず無色透明だから。きらきら光っているから。けれどもそんなあなたは目薬に殺されて、あなただけを見ていたわたしは、そのとき初めて乾き切った瞳から涙を流したのです。

あなたが「人間なんて蛋白質の塊だから。」と言ったとき、そんな弱さをわたしが愛せたら

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【詩】風

ある暑い夜にわたし、いつまでもずっと冷たい風に吹かれていたいと思っていた。だって冷たい風や空気はどこか綺麗なような気がする。それで、たとえわたしが何もしていなくても、何も努力していなくても、わたしのことを責め立てることもなく、浄化してくれるような気がする。わたしは何もしなくていいんだって、わたしはわたしのままでいいんだって、そう言ってくれるのは、それを赦してくれるのは、そのとき他でもないただ吹き抜

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