親しみあふれる 身近でいとしい仏さま
2023年12月某日
みちのく いとしい仏たち
東京ステーションギャラリー
日本に仏教が入ってきたのは6世紀半ば。
さまざまな形で日本人の精神とか価値観、あらゆるところに影響を及ぼしている。のはみなさんご存じの通り。
とはいうものの、仏教が日本津々浦々へ広まっていく課程でグラデーションが生まれるわけで。
立派な寺院に立派な仏像が祀られていった一方、地方の村では素朴でユニークな民間仏が祀られていたのだとか。
それがまあなんとも味わい深い仏さまなのだった。
村の集会所を兼ねた十王堂・地蔵堂・閻魔堂に、十王、地蔵、観音、大黒天・恵比寿などをお祀りしていたみちのくの人たち。
彼らが祈りを捧げたキュートな仏さまが東京ステーションに集結!
いそいそと会いに行ってきた!
SECTION1 ホトケとカミ
3 如来立像 天台寺 岩手県二戸市
結構デカい。不思議なお顔。鉈あとがワイルド。
4 伝吉祥天立像 天台寺 岩手県二戸市
丸顔がかわいい。どっしり体型が頼もしい。着物に花柄みたいのが残ってる。
5と6 尼藍婆(にんらんば)像と毘藍婆(びんらんば)像 [複製]岩手県立博物館
腕クロスで裏ピース!ウィッシュ!?
毘沙門天の足元にいる鬼コンビ。
きちんと正座してるお尻がかわいいので、360度舐めるように見る。
7 女神像 恵光院 青森県南部町
とっても親しみがもてる、なんか知ってる人みたいなお顔とたたずまい。
8 十一面観音像 個人蔵 青森県南部町
すらっとボディに個性的なお顔。
SECTION2 山と村のカミ
この展覧会のメインビジュアルを張っている仏さま。
なんともいえんバランス。
四角いお顔とボディにちょこんと合唱するお手て。螺髪も彫り込んでるよ。どことなく寅さんに似ているような~ってとこも含めて親しみあるわあ。
12 山上像 石像 某社蔵 岩手県八幡平市
刀と斧?を持っている。台座の彫り込みがすごいメリハリ効いてるなあ
SECTION3 笑みをたたえる
おっぱいができちゃった観音さま。いろんな人の願いをかなえてようとして…の?
21 童子立像(聖徳太子像) 個人蔵 岩手県一関市
にっこにこーそしてすべすべしてそう。着物の色と柄が残ってるし、大事にされてきたんだろうなー
SECTION4 いのりのかたち 宝積寺六観音像
6体揃われると圧巻ですな~それぞれに異なる個性あるお顔とおめしもの。
一木造り。ただし造り手は異なっているかと。
SECTION5 ブイブイいわせる
ブイブイいわせると言えば…
なにかと緩みがちな私たちに気合いを入れてくれる不動明王。
いい感じに緩い七福神のなかで、一番シャキッとしている毘沙門天。
石の上で9年座禅したといわれるの達磨大師などなど。
護摩で真っ黒。それくらい祈りを捧げられまくっていたんだね。
ちょこっとS字ラインのしなやかボディ。
40 矜羯羅童子立像 会津久兵衛作 蓮正院 青森県板柳町 …笑ってる
41 制吒迦童子立像 会津久兵衛作 蓮正院 青森県板柳町 …イキってる
2人とも子供らしいむちむちボディ
42 毘沙門天 個人蔵 青森県五戸町
かっこいい。鎧の獅子が決まってる~踏んづけている餓鬼もいい顔。
多聞天なんだけど、頭上に龍神、閻魔や大黒天の要素が乗っかっている。 足元の餓鬼も含めて、盛りだくさんでおもしろい。
とりあえず御利益がありそうな方たちを合体させたのだろうか。
いかり肩に親近感。
ねじり鉢巻きのだるまさん。いや、なんでだ?
目ん玉が飛び出しそうな表情がおもしろい! キャラがたってるなあ。
ある意味、この展覧会で一番びっくりしたかも。
SECTION6 やさしくしかって
さまざまな十王像のコーナーーー
閻魔さまがベロベロベ~&バア~みたいな。
閻魔さまなので怖いはずなのだが、むしろおもしろい。
ちょけてるように見えるのだが…造り手は真剣なのだろうか?きっとそうなんだろう。
ふんどしとか牙がこれぞ鬼って感じ。
笑いながら女性を引きずってて怖いんだろうけど、なんか愛嬌がある。
すね毛ボーボー。
SECTION7 大工 右衛門四良(えもんしろう)
103_114 三十三観音座像 法蓮寺 青森県十和田市
シンプルだけど味がある四良さんの仏さま。
ほど良いサイズの鬼 腕をぐっとして気合いを入れてる感じがかわいい。
ごめんなさいをするように、前後に揺れるらしい。切ない。
SECTION8 かわいくて かなしくて
ノミ痕がなくってなめらかなので、これが円空作なんだ~と新たな発見。いいお顔してはるわーーー
立て膝で子を抱く観音さま。台座の彫り込みがおもしろい。
胸に張り付くような合掌スタイルが印象に残った。
みちのくの人たちのきまじめさや、真剣に祈る気持ちが現れているのかしらね。
いや~しみじみよかった。じわ~と心に沁みてくる感じよ。
12月は師走。なんだか忙しくてせわしないもの。
そんななか、みちのくの仏さまたちが2023年ラストの展覧会だったのは、自分なりに妙に納得かも。
去年はいろいろ観たーーー
今年も観るぞーーー
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