見出し画像

明治の美術はフリーダムで大騒ぎ?

2023年4月某日
明治美術狂想曲
静嘉堂@丸の内


タイトルにグッときた。
岩崎家ゆかりということで、明治期の逸品をたくさん持っているであろう静嘉堂文庫美術館。
三菱一号館美術館、東洋文庫と併せて、その時々の当主の趣味嗜好に沿ったコレクションをお持ち、というイメージ。

個人的には三菱一号館美術館が一番訪れた回数が多いかな。ただいま絶賛改装中。
静嘉堂文庫美術館が丸の内へやってきたのは良きタイミングかも。
元々ビジネス街丸の内で美術館を建設したかったのだとか。

西洋の文化を取り入れると同時に、輸出にも力を入れた明治時代
日本の技術やセンスを海外にアピールすることがとっても重要だったのは理解できる。
「美術」という言葉は、このときに生み出されたらしい。

でもねえ…だからって仏教や仏像をないがしろにするのは極端すぎるでしょ。ぶち壊すこたあないでしょ。
廃仏毀釈とか、極端な発想(と実行しちゃうところ)が恐ろしい。
などとツッコミ心が疼きつつも、当時のアーチストたちはそれぞれの未知を極めようと邁進しているのだった。


河鍋暁斎の「地獄極楽めぐり図」。
当時最先端だった列車を描いた画面が有名。極楽行き特別豪華列車でGo To Heaven!
前後の数ページも観られて良かった。

暁斎先生ならではの登場人物全員キャラ強め。
彼が描くと、髑髏にも人格とかキャラがにじみ出る。
「地獄極楽めぐり図」は、若くして亡くなったパトロンの娘さんを弔うために仕立てた画帖。
おとっつぁんを慰めようと、サービス精神が増し増しになっているように思う。

渡辺省亭×濤川惣助の七宝の花瓶。品が良くってセンスの塊って感じ。
迎賓館の室内装飾コンビ。
でも個人的には並河靖之の方が好きかも。京都のお宅がすごく素敵だった。小川治兵衛のお庭も含めて。

柴田是真の良いものも。重箱とか色とテクスチャーが自由自在。
漆の魔術師よね。

そして国宝・曜変天目(稲葉天目)も観られる。
以前三菱一号館美術館で360度ぐるぐる回りながら鑑賞した。
たまたま他の人がいないタイミングがあって、ねっとりと観られた。
ただし今回の展示は一方が壁に面しているので270度で。


展示数はそれほど多くなく、キュッとコンパクトな印象。
所蔵品がすっごいいっぱいあるだろうから、テーマそ絞って少しずつ良いものを密度高く見せていく感じなのかな。
とにかくええもん見られたわ~

静嘉堂@丸の内が入っている明治生命館は、近代洋風建築の代表みたいな歴史的建造物。
外観もしゅっとしていいんだけど、内装もモダーンなモチーフがふんだんに施されていて素敵。
以前見学したことがある。大理石にフツーにアンモナイトが埋まっていたりする。
こちらもおすすめ。

饒舌館長がおもしろくて発信力もあるし、今後の展覧会も期待。

いいなと思ったら応援しよう!