三の丸尚蔵館の名品にしびれる
2024年5月某日
皇居三の丸尚蔵館 開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」
●第4期:三の丸尚蔵館の名品
さすが皇室、ええもん持ってはる。
まあ当然と言えば当然だけれども。
「皇居三の丸尚蔵館」として生まれ変わった記念の展覧会。
気になっていたものの、訪れるタイミングを逃していたところ…
第4期のラインナップが結構ええやん!
ということで日時指定チケットをゲットしてゴーーー
皇居の門の中に入ったの、初めてかも。
東御苑や天守台などをぶらぶら。
石垣の石がデカい。そして積み方もいろいろで興味深い。
徳川パワーを感じざるを得ない。
でもいきなりガッカリポイントが。
大手門から入門したんだけど、
入り口と出口を分けてるのが工事用みたいなパイプとか、プレハブのトイレとか売店とか、
とりあえず作った感が丸出しで、興ざめ。
アプローチって大事だと思う!
素敵なお庭やお宝いっぱいの尚蔵館へ向かうのにだんだん気分が盛り上がっていくようなさあ。
現状は(仮)だと思いたい。
あと外国人観光客が多いのはまあいいとして、マナーが悪いのはむしろ日本人だったりした。
しかもまあまあの年配の人。なんだか暗澹たる気持ちに。
てな感じでテンション下がり気味だったけど…
「三の丸尚蔵館の名品」はよかった~
さまざまな事情で巡り巡って皇室の所有になったものや献上されたもの。
その経緯はそれぞれながら、とにかく濃いいコレクションだった。
さすが皇室、ええもん持ってはる。
竹林に浮かぶ謎の美女。
ホントに浮いてるんだけど!飛んで来たん?吉備真備ですか?
いいえ春日大明神です!納得。
人もワンコもすやすや眠るなか、夢でお告げするために参りましたの。
動植綵絵 伊藤若冲
国宝。そうだよね~国宝になったんだよね~
以前都美で30幅観たときはまだ国宝じゃあなかったもんね~
と思うと感慨深い。
4幅だけでもすっごい濃密うぅ。
白い羽根の繊細な描き分け、先っちょのゴールド&グリーンのベタ塗りとのメリハリがあるなあ。
でろんとした岩、こってりな牡丹なども抜かりなく。
お魚大集合~だけどセンターはタコの親子。
子ダコのきゅっとつかまる感じがかわいい。
みんなお口閉じてすまし顔。
美味しそうなやつとおもしろフェイスなやつと。
整然と泳ぐ鮎。の中に違う子が紛れ込んでるけど気にしない。
蓮の花が美しい、すごい透明感。
それに比べて、ブツブツの茎とスジスジの葉っぱの生々しい不気味さ。
ん~ヴァニタス。
アクロバティックなポーズの雄鶏。
なんちゅう格好してるねん!といいたげな雌鶏。
しかし、いろんな羽根の表現が見事だ、いつ観ても。
酒井抱一 花鳥十二ヶ月図
三蹟の一人と思って見るからか、品のいい字だなあ。
それよりも、紙の豪華さに驚く。
文様とか雲母刷りとか、ゴーーージャス。
とにかくデカい。
右隻が永徳。ムッキムキのお獅子。仲良さそう。
アイネクライネ唐獅子ムジーーーク?
左隻がひ孫の常信。
ひい爺さんとは異なる画風を意識してるのかな?
結構獅子毛が生えてる。
とにかくデカくてザ・狩野派な1枚。
並河靖之の花瓶がフィーチャーされてて嬉しい。
半個室みたいな空間に鎮座している。
並河靖之の作品としては大きめ。
四季の移り変わりがぐるっと360度なめらか~に展開。
何回もぐるぐるしながら鑑賞。
季節の花と、飛び交う鳥たちのバランスが絶妙。
デザインと、それを表現できる技術にため息が出ちゃう~
サントリー美術館の泰西王侯騎馬図屏風は、これの一部を抜粋したものなのかな?
世界のアレコレが詰め込まれてて、お勉強要素が強い。
明治天皇の御学問所にあったとかで、
世界は広いのでございます、さまざまな人種がいるのでございます、
がビジュアル化されていて圧巻ですな~
蛍が乱れ飛ぶ宇治川の夏。
月のデザインがかっこいい~