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影響力のある人

最も影響力のある100人

「世界で最も影響力のある100人」に岸田総理大臣が選ばれたというニュースが朝のテレビから流れてきた。アメリカのタイムズ誌が毎年選んでいるそうだ。「日本外交の革命的変化に着手した」ことが理由とのこと。

そうだったんだ、というのが真っ先な感想だった。

私は新聞の朝刊は読んでいるが、「日本外交の革命的な変化」に関する記事は見ていないと思う。少なくとも私自身は、岸田総理大臣から直接的な影響は何一つ受けていないと感じる。

このギャップは何なのだろう。

私に影響を与えたひと

ところで最近、頭から離れない言葉がある。楽曲製作において、音楽プロデューサーDavid Foster氏の影響を強く受けてきたことを公言している歌手のASKAさんがラジオで話していた言葉だ。

「僕は30代の頃、David Fosterから影響を受けてみようと思った」。

この言葉選びが素敵だと思った。「影響を受けたいと思った」でも「影響を受けた」でもなく「影響を受けてみようと思った」。

もしやってみてイマイチだったら「影響を受けるのはやめればいい」という潔さも感じられるカッコいい言葉。

私は10代の頃からこんな風に、ASKAさんが表現することばや歌詞から多くの刺激、影響を受けてきたと思う。ある日「そうだ影響されよう」と決意したわけではないけれど、自ら積極的に影響を受けに行っている。

みなさんは「この人に影響されてみよう」と思った人はいますか?

私が影響を与えているひと

逆に私が間違いなく「影響を与えているだろう人」は、子どもたちだ。

私は、過去40年の自分史を振り返ったときに
「この出来事は意味のあることだった」
「この経験はすごく有意義だった」
と信じていることがいくつかあって、
そういうものは、子どもたちにも経験しやすい環境に整えてあげたいと思っている。

しかし、環境を整えるだけで押し付けたくない。
親の影響があったとしても「決めたのは自分」と思えるようにしたい。そうすることで、最後までやり通す責任や、やり遂げたときの達成間、自信が生まれると思うから。

この影響力の強弱バランスを取るのがなかなか難しい。

他人へ影響を与えることは生きがい?

親が子に与える「影響力」について調べていたら、興味深い科学論文を見つけたので紹介したい。

“幸せ”と “人生の意義(生きる意味)”は混同されやすいが概念的に両者は異なる

と書かれた2021年の研究報告だ。

Searching for meaning is associated with costly prosociality - PubMed (nih.gov) Brodie  Dakin 1, Simon M Laham 1, Nicholas Poh-Jie Tan 1, Brock Bastian 1

“幸せ”は、前向きな感情(喜び、楽しみ)で作られる自己中心的なもの。

“人生の意義(生きがい)”は、他人に目を向け、他人をケアする方向に向かうもの。犠牲と努力を伴うもの。

私たちが、他人との社会的行動に人生の意義を感じる理由は、それを成し遂げたときの達成感や自尊心のためだと書かれている。

つまり「他人へ良い影響を与える」ことは、「幸せ」よりむしろ「生きがい」に直結するということになるのだ。

なかなか深い考察と研究だなと思った。まだまだ自分はこの研究のメッセージを咀嚼しきれないけれど、この考えは人生を豊かにしてくれそうなので、頭の片隅に入れておこうと思う。

ここで冒頭の「最も影響力のある100人」を思い出した。

影響力がある人はすなわち「他人のために自らの犠牲と努力を厭わず、意義のある人生を送っている人」と読み換えても良いのかもしれない?

本当にそうなのだろうか。少しでも垣間見ることができたらと思い、岸田総理大臣のツイッターをフォローさせて頂いた(政治家の方をフォローするのは初めてで緊張した)。

果たして私はいつか「岸田さんの影響を受けてみよう」と思うようになるだろうか。ニュースを聞いたときに感じたギャップは埋まるだろうか。

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