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[詩]「Xの冬」

通勤電車に

揺られながら


ふと思う


誰が笑う

傍らで


不幸に泣く

誰かのこと


今日ほど

残酷な日はない


この日ほど

望まれる日はない


「メリークリスマス!」


真っ黒な

キャンバス


粉砂糖みたいに

散っていく雪


冷たい外気


街にいる
子連れか

あるいは

カップルだろうか


誰かの笑い声が

木霊していて


その声に思わず

耳を塞いだんだ


予定を空けた

誰かにも


予定が埋まった

誰かにも


平等に

訪れては


不平等を

実感させる


暖かいのは

こたつだけ


心の目は

冷めきって


誰かが誰かの

不幸を望む


けれど


誰かが誰かの

幸福を祈る


そう聞くと


今日ほど

いい日はない


今日ほど

悪い日はない


そう感じる


温かなチキンと

冷めたチキン


貴方はどんな日を

過ごすのだろう


けど


どんな日を

過ごしたって


どんな気持ち

だったって


幸も不幸も

いずれ終わる


知っているから


それなら私は


今日くらい

笑っていたい


今日くらい

労っていたい


頑張りに報う

サンタのように


そう思ったんだ


真っ黒な

キャンバス


粉砂糖みたいに

散っていく雪


冷たい外気と

イルミネーション


呆れるほど

綺麗な街に


白く息を吐いた


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