[part1]好きな詩を語ろう!
こんばんは!桜街スピカです!
今回はシンプルに好きな詩について、二つ語らせていただきます。この記事を通して、少しでも詩のよさが伝わってくだされば幸いです。
また、心苦しいですが、作者名は敬称略とさせていただきます。
「すてきなひとりぼっち」作:谷川俊太郎
この詩との出会いは図書館でした。数年前に図書館読んで以降、「ひとりになった」自分のことを、「ひとりのよさ」も含めて深く肯定してくれるように感じて、気づいたら好きになっていました。
この一連だけでも「みんな知ってる空」を見るのに、「俺には俺しかいない」って詠ってるところが凄く好きだったりと色々好きなところはあるんですが、特に「だけど俺には俺しかいない」「俺はすてきなひとりぼっち」と、昨今の「誰も置いていかない」という「社会に迎合出来ない変わり者」にとって苦しい社会の中で言ってくれるところが、凄く私の琴線に触れたことを覚えています。
ちなみに余談ですが、以前出先の本屋さんで、詩集「すてきなひとりぼっち」を見つけて、他の詩も含めて、改めて読みかえしてる途中なのですが、この方の詩は全編通して、色んな立場の人に優しいなとひしひしと感じます。
また、この本のキャッチコピーも凄く素敵で、詩っていうのは「優しさに満ちた言葉の羅列」であることも多いので、深く共感できる上に、この詩集のことをよく表してるなと感じます。書店で見つけた際は手にとっていただけるといい現実逃避になるんじゃないかなと思います。本当にオススメです。
「ひとりになりたかった」作:文月悠光
この詩を初めて見たのは、現代詩手帖を初めて買って手に取った時でした。その時は、自分の投稿がどうなっているのかを確認するのもそうですが、何よりどんな詩が載っているんだろうとウキウキしながら本を開きました。そこで私を襲ったのは、難解な詩の数々でした。こういうとよろしくないかもしれませんが、その時の作品を見て、私は「意味のない言葉の羅列を流し込まれてる」と感じとってしまい、面白さが全く理解出来ませんでした。(この経験も、後の作品作りにかなり役立ったので、今となってはこの経験は凄く重要なものだったなと感じます。)そんな自身の無力を嘆き絶望の最中で時に見つけた私にとって「逃げ場所」のような作品がこの作品でした。
この詩を見る前にも、この方の作品はちょくちょく目に通していたし、エッセイである「臆病な詩人、街へ出る」も買って読んでいて、彼女は輝かしい功績を持ちながら、その実どこにでもいる普遍的な人なんだと、親近感を持った状態でこの詩を読んだので、「共感」という形を持って深く心に突き刺さりました。いい詩なので、是非ご一読ください。オススメです。
[※ここからは私語りみたいなものなので、見たくない人は飛ばして貰って大丈夫です。]
今振り返って読んでみても、何故私がこの詩を気に入ったのかという理由は鮮明に感じ取れます。そう、私も「ひとりになりたかった」からです。当時の私は、いや。今もですかね。「他人に揺さぶられる」のが嫌なんだと思います。そもそも私の行動原理は「書くこと」なんですが、色んな物語を書くには色んな経験をしないといけない。その為には部屋に閉じ籠って作品を書いてるだけじゃ、やっぱりダメで。何かしら行動を起こして、他人と関わって世界を広げようとするけど、結局書くことよりはどうやっても好きにはなれなくて。私にとって「書く」ことこそが、どこまでもメインで。他人のために頑張るのも、他人の熱に乗っかるのも嫌で。なんでここで息をしてるんだろうと常々感じるのですが、結局のところ、書くための「経験」が欲しいだけで。そんなことをぐるぐる考えてると、他人に振り撒く「笑顔」の私じゃなくて、いつか他人に言われた、何か考え事をしている「ひとりの顔の私」に戻りたくなるんです。きっと、それが嘘偽りない本当の私だからなんでしょうね。勿論、私の笑顔自体が嘘というわけでもないですし、楽しんでる時は楽しんでるわけですが。それでもやっぱり少ししんどいんでしょうね。そこら辺深く共感できたからこそ、この詩が好きになったんだろうなって思います。
いかかでしたでしょうか。今回の記事を通して皆さんが少しでも詩に興味を持っていただけたると幸いです。また、今後も気まぐれに好きな詩を紹介することがあると思いますので、その時はお付き合いくださると嬉しく思います。(最近は「若菜集」にハマりかけてるので、いずれはそこのレポートもあげられるといいな……)
拙作ではありますが、私も詩人の端くれとしていくらか作品を投稿しています。よろしければ、是非ご一読ください。
代表作「命の価値」