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[詩]「至らない」

いつも

空を見ていた


「空の果てには、何があるだろう!」


いつも

終わりに期待した


「果てに至ったなら、私はどうなるだろう!」


しかし


現実は非情だった


手を伸ばすと


夢が終わる


合図があった


逆らうように


足掻いたとしても


結局は


ただ凡人のまま


本質はきっと


変わらないのに


大人になった


そんな気のまま


それでも


私は生きている


嗚呼


夢の終わりは

現実の始まり


天才になんて

なれやしない


凡人のままだけど


それでもいいと


気づいたのなら


勝てなくていい


ただ


負ける気が

ないだけで


あの


英雄のような


雄弁な喉笛に

食らい付ける


信じたなら

止まらないで


いつも

空を見ていた


そのうち


首が痛くなって


うつむいた


その時初めて

私を見たんだ


吼えるだけの

愚かな自分を


嗚呼


いつか見た

夕空のように


深紅の色へと

染まるように


その怒り


そのやるせなさを


どうか


炎にして


あの怪人に

並ぶまで 


いつか


あいつが

灰塵に帰すまで


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