明日の人生、どうなるかわからない・・

東京から車を運転して、あと10分で自宅に到着するというある日の朝、
国道で一時停止してしていた時、後ろから飲酒運転のトレーラーが追突してきた。

一瞬にして頭部に痺れが走り、救急車で病院へ運ばれていったが
途中意識が朦朧としていた。
救急室に入ったところまでは記憶しているが
その後の記憶がない。

おそらく1時間から1時間半ほど経過していたと思われるが
医師から大きな声で名前を呼ばれてやっと意識が戻る。
レントゲンやCTでは以上なしだったため、
診断名は、頸椎捻挫と記されていた。

下を向くこともできず、枕を当てて休むこともできないため入院となった。

不運なことにその3年後の同じ日付と同時間帯に、またもや今度はワゴン車に追突された。首の痛みと不整脈が強く出現したため入院となった。

首のMRI検査で機械の音があまりにも大きくて体が動かなくなってしまった。その時車いすを使用していたが、その後どのように病室まで戻っていったのか今も記憶が残っていない。

このように骨折もなく、一見軽傷と思われる交通事故に遭い、
自分で歩き、食事もとれて、会話もできる、外見からは大丈夫と思える場合であっても、実は軽傷ではなく、重篤障害を引き起こしている場合が
あるのです。

それが「外傷性脳損傷」です。

この障害は、救急医や一般の受診ではほとんど明らかにされることはありません。まして日本では治療法もありません。

外傷性脳損傷っていったいどんな症状が出るのでしょうか？
たくさんありますが、一部ご紹介します。

・ 体の動きにくさや歩行困難に直面している

・ 日常生活を支配する強い疲労感や脱力感

・ めまいやふらつきが、安定した歩行を妨げている

・ 首や肩の筋肉痛が休息時もあなたを苦しめている

・ 不安定な心拍と不整脈

・ 日々のストレスによるイライラ

・ 睡眠不足、夜通し眠れない夜を過ごしている

・ 不安や気分の落ち込みが心を重くしている

・ 集中力の欠如、物忘れや学習困難

・ 身体のピリピリ感、光や音の過敏性

・ 目の疲れや複視、視野狭窄による視覚問題

・ 身体の一部の麻痺や不快感

・ 頻尿や尿漏れのような排泄に関する問題

・ 食べ物の味やにおいがわからない

・ ブレインフォグによる思考のぼんやり感、 等 です。

ざっとこんな感じです。
さらに首・肩・腰・腕つまり全身の痛みがすごいです（人によって違いあり）。線維筋痛症と間違われることもあります。

これほどの症状がずーっと続いていけば、仕事ができる状態ではなくなります。強い疲労感で突然横にならなければならなくなるからです。

あなたは、突然このような出来事に遭遇した時の心の準備はできていますか？

私はできていませんでした。
突然に人生は破壊され、崩壊していきました。

友人はいなくなり、仕事も失い、ただただ苦しむ毎日が続いていきました。
身体的、精神的、経済的な問題を抱えるようになったのです。

ここで、私のストーリーを少しご覧ください。
『私は、27年間TBI（外傷性脳損傷）サバイバーとして生きてきました。
1997年9月28日と2000年9月28日の2回にわたり追突事故に遭い、その後8年間、正しい診断がなされず、誤った治療を受け続けることで命の危機に瀕したこともありました。

当時2㎏のお米すら持つことができず、両手の握力は5～6㎏。みかんの皮をむくことも、ストッキングを履くことさえできない状態でした。17年が経過しても、台所に立てるのはわずか3秒。それ以上立っていることができず、何度も休憩をはさみながら、やっと「肉じゃが」を作り、食べるという日々でした、これらは私が体験してきたTBI症状のほんの一部です。

身体的な痛みや苦しみだけでなく、高次脳機能障害も私を悩まし続けました。記憶障害や疲労感は、強い精神的な負荷を受けるたびに全身の力が抜け、何度も崩れるように倒れてしまうのです。見た目には健常者と変わらず、笑顔さえも見せられますが、その裏で「人間ではないような生活」を27年間も強いられてきました。

しかし、それでも私は前を向いて歩き続けてきました。

この文章は、私がこれまでの27年間で体験してきたすべての事柄をまとめたものです。そして、いくつもの困難を乗り越えながら、ついに治療法がないとされたこの日本で、希望の光を見つけました。今ではTBIサバイバーとしてのエンディングに近づいています。大切な宝を手に、元の日常生活へ戻れる日が目前に迫っています。

これからは、同じ苦しみを抱えている皆様方のサポートに専念していく決意をいたしました。
あなたも、苦しみに支配される生活から、喜びある生活へ戻りたいと思いませんか？ご一緒に、TBIからの再生への扉を開け、回復への道を歩んでいきましょう。敵との戦いはもう終わりにして、希望とともに新しい一歩を踏み出す時です。これは夢ではありません。現実の再生のスタートです。』

「ニューロリワイヤー」ーー脳の再配線が始まります‼

これからも引き続き、脳損傷で苦しんでおられる皆様方に
希望を差し伸べてまいりたいと思います。

次回の記事もどうぞお楽しみにお待ちください。
岩瀬より