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面白い大阪(+関西)の政治39:京都市長選の波乱・後編

↑前回の続きとなります。


自民から突き放された男

実は自民系から実質もう一人、この京都市長選に出馬していた。
それは元自民党京都府議・二之湯真士である。
彼は2023年11月頃から京都市長選出馬を模索していて、まだ自民党が候補を決める前に出馬表明をしていた。勿論正式に自民候補が決まる前なので自民党から推薦貰おうと考えていた。

西田昌司とそりが合わない?

しかしそこには問題があった。自民党京都府連代表の西田昌司の存在だ。
こいつ、大阪維新の会や日本維新の会を嫌って批判する老害であることは皆もご存知の通りであるが、同じ党・組織内の人間でも自分と考えが違う人間は徹底的に排除するという何というか「暴君」なのである。
2023年の大阪ダブル選挙は反維新の候補が乱立しているなか、筆頭候補と言える自民党の息がかかった自称法学者おばちゃん候補を応援せずに参政党の候補を熱烈応援。何度も応援演説に駆けつけたが結果は供託金没収レベルの大惨敗。まあ、大阪だしね。
この京都市長選、維新は事実上撤退しているので「ざまあ」と思っていた程度だが党内の反乱分子に容赦なき行いをしてきた。

離党認められず除名されたうえ惨敗

自民党京都府連内で門川市長の後継者になった松井孝治を推薦する方向でまとまったとき、外された二之湯はこう思っただろう。
「なんで自民にいた私ではなく民主系にいた男を党は推薦しているんだ…おかしすぎる」
これに疑問を感じた二之湯は市長選出馬前に「離党」しようと「離党届」を提出。しかし西田がこれを拒否して後日にあろうことか「除名通知」を出してきたのだ。そう二之湯を完全に自民党から追い出したのだ。
西田は「自分に従わない者」に対して容赦しなかった。自民党は一度「離党」しても一定期間経てば「復党」できる権利を事実上有している。しかし「除名」となると自民党に戻ることは永久に不可能となる。それを二之湯に突きつけたのだ。
こうして自民の後ろ盾を完全に失った二之湯。父・二之湯智や周囲の理解者らが応援してくれるものの、党の力を全面に押し出した松井孝治に敵わずに4位という結果に終わった。
もう彼は自民に戻れない…完全無所属で活動するにも限界があるなら別の党に移るべきだろう。…そうだな、前原誠司が作った「教育無償化を実現する会」なんかが妥当だろう。

最終的な勝者は?

市長選そのものは松井孝治が勝ったわけだけど、どこか彼と周囲のムードは暗い。むしろ今後自民党京都府連が松井孝治を都合よく動かしていくのだろう。
いわば松井は「傀儡(かいらい)」。これにより実質的な主導権を握った西田昌司が「真の勝者」となった。
握らせてはいけない奴に京都市が掌握されてしまった。
ただでさえ京都市は前市長の金遣いの荒さで財政破綻寸前なのに西田という老害にイニシアチブを取られては未来が暗い…
前々から京都市が財政破綻すれば「第二の夕張」になってしまう事を危惧していた。一時期その状態になりかけた大阪府だが、橋下徹ら維新により立て直す事ができたのとは違い、京都市はこれまで好き勝手していた門川の後釜・松井が市長になってしまった事と、反維新が主導権を握る自民党京都府連により、京都が衰退していくだろう。

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