面白い大阪の政治その15:大阪4つの公明選挙区への不満
自民公明の連立与党に歪みが見えている。
連立政権の為に289ある衆院選の小選挙区で自民のところには公明を立てず、逆もまた然りである。
その「逆」に当たる約10の公明が持つ小選挙区のうち、大阪が4つも占めている。
これにより公明の小選挙区に住む自民支持者は不満をあらわにしている。
これが最初からある「歪み」である。
大阪3区事変
この記事を見てほしい。「面白い大阪の政治その7」でも話したが、大阪3区の自民支持者が限界にきてしまい柳本顕を使って公明の選挙区を奪還しようとしたのだ。
2021年に大阪3区で1人の男・柳本顕が立ち上がったのを自民党本部は「比例単独上位」の待遇で阻止した。「比例単独上位」は当選が約束されたものだが、その分選挙戦は熱が入りづらくなる。
岸田総裁が大阪3区の公明党候補(佐藤茂樹)を応援に来たのだが、柳本顕は応援に駆り出されてもやる気を感じられなかった。とりあえず岸田に挨拶はするも印象は最悪だ。なんせ「自民を潰そうとした奴」だから、岸田は除名したかったに違いない。しかし離党・除名すれば柳本顕は無所属で大阪3区に100%出馬する事が見えてたので飼い殺しするしかほかなかった。
「私の名前・『柳本顕』は10月19日を以って『自民党』に変わりました」
柳本顕は地元の選挙区に自分の名前で入れられなくなる事に嘆いていており、「比例は自民」ということしか訴えることしか出来なかった。
しかもそれを言えば落選の危機に瀕していた同じ自民の大阪小選挙区立候補者から怒られてしまった。
(他の自民候補からしてみれば自公連立維持のために「比例は公明にお願いします」と訴えることになった一因である柳本顕の全ての行動が恨めしいのだ)
この結末が自民にとって最悪だったのは言うまでもない…いや柳本顕を自民から追い出していたよりはマシだったか。
他の選挙区でも起こりうる
当然だけどこれは2021年に起こった「大阪3区」だけの問題ではない。
公明党が議席を持つ小選挙区であれば起こりうる事なのだ。
柳本顕の件で「悪しき前例」を作ったがために次から次へと不満を持つ奴らが公明党の選挙区に出馬する事を匂わせて、待遇改善を求めてくる可能性があるのだ。
大阪5区(西淀川、淀川、此花、東淀川)
反維新の筆頭として維新に噛み付いてきた老害BBA北野妙子。大阪市長選落選後は柳本と同様に国政進出準備するのかと思いきや自民党を離党したままあっさり引退。他には弾がいないのもありここから自民系が出馬するという事はまずないだろう。
それに出たとしても公明のエース・国重徹の10万票には太刀打ちできまい。
今後維新候補も出る事になるから余計に厳しくなる。
大阪6区(旭区、鶴見区、守口市、門真市)
この小選挙区には公明党では若手の伊佐進一が議席を持つが門真市と守口市の双方の市長が共に維新であるため、維新の猛攻をモロに受ける可能性がある。
ただ維新の猛攻を黙って見るわけにはいかない自民支持者もいるわけで、そこで有力なのは大阪市の旭区から選出された「無所属だけど自民推薦」の市議会議員・福田武洋だ。
こちらは柳本顕と違い無所属で議員しているから、自民推薦の過去を隠して「完全無所属」で行動しやすいから出たら厄介になるかも知れない。
大阪16区
堺市の一部が範囲となる。ここは公明の重鎮・北側イッセーの本拠地だが、2023年の大阪維新の躍進を危惧して何らかんらで妥協案を模索したがうまくいかないとわかると、後釜に押し付けて雲隠れしようとしている。
新しい候補に対して、堺市長選2連敗の「チーム堺」野村ともあきはチャンスだと思うけど、動く気配全くない。憎き維新も出馬するようになるうえ、自民やめて4年以上経過するから案外いけると思うけどな。
いずれも公明がかぎつけて告げ口すれば連立が瓦解しかねないけど果たして…
これからもこの4選挙区は「連立の要」となるうるのだろうか…