面白い大阪の政治その8:タレント候補
「名より実を取る」大阪でも知名度のあるタレント候補がいればちょっとなびいてしまうもの。とは言え知名度とインパクトだけでは勝てないのも事実だし、見極めるのは有権者だ。
たとえ出馬の話があっても当人の都合で固辞することも多い。
今回は大阪の選挙で出馬要請あったが、断ったタレントを挙げたい。
俳優・辰巳琢郎
関西で生まれ育ち、京都大学出身のインテリ俳優。
知名度、芸能界ではハイスペックと言える履歴は政治界隈にも「使える」と判断したようで「大阪維新の会」に対抗する「反維新」の筆頭・自民党大阪府連は彼を大阪府知事選挙の候補に擁立しようと動いていた。
2015年の大阪府知事選
1回目は2015年11月、維新が「1度目の大阪都構想が反対多数否決」された後に行われた時だ。維新政治にトドメを刺したいと思った大阪自民は、上記の中身を持つ辰巳琢郎を目玉候補にするため、連日訪問。
しかし彼自身、選挙に出馬するとなると芸能活動を休止しなければならない風潮があるため渋い顔をしていた。なんせ当時はNHK朝の連続テレビ小説に出演していたからだ。
ここで大阪府知事選に出たらドラマ全体に影響出る。「大阪自民にその責任取れるなら出ても構わない」と牽制するだろう。そんな責任取れるわけがない大阪自民は彼を諦めて、大阪府蓮のお荷物大阪府議である知名度がない女性を候補に担ぎ出したが、松井一郎に惨敗している。
2019年の大阪府知事選
だが大阪府連は懲りずに2019年4月に行われる府知事選にも辰巳を候補にしようと動いた。
維新側の事情はひとまず置いといて、「次こそは維新を倒す気満々」の大阪自民は当時辰巳の仕事が落ち着いていることを把握したうえで府知事選出馬を打診。自民党本部も本腰を入れていたらしく、当時の党幹事長・二階俊博も何度も辰巳の元に伺ったほどだ。
辰巳は「一旦家族と話します」と話を持ち帰った数日後に「固辞」した。
感触は良かったと思っていたところへの固辞に驚きを隠せなかった大阪自民。
結局次点候補に見据えていた元・大阪副知事だった典型的な狸オヤジを候補に据えたが、松井一郎と入れ替わる形で出馬した吉村洋文に惨敗したのは言うまでもない。
辰巳はインテリだからこそ、「知名度ある自分をカカシ的に知事にして、大阪自民が影で好き放題しよう」という党の魂胆が見えていたのだろう。
というか彼、橋下徹のネット番組で「どちらかといえば維新」みたいなスタンスだったみたいよ!(笑)
今回は1人のタレント候補を自民が立てようとしたが断られた話をしたが、次回は維新側のある芸人を取り上げたいと思う。
と言いましても、こちらは人伝で「噂」「推測」レベルなので話半分の分になると思うのでご注意願います。