面白い大阪(+関西)の政治42:長尾敬は国士？

２０２１年までは小選挙区大阪１４区選出の国会議員だった長尾敬。
今でこそ自民党所属だがこいつはかつて民主党所属だった。
2024年現在は国会議員の資格を持っていないが、近々衆院選は捨てて参院選に出馬する意向だ。
コイツは何故かネット上では「国士」扱いされている。

公明の推薦無し

2002年から2012年までは敵対する旧民主党所属だった。
しかし「民主党では自分の政策、考え方では無い」と離党しようとしたら除名を喰らってしまう。それを安倍晋三に拾われて自民党に移ったという異色の経歴をもつ。
こいつの特徴は公明党の推薦が得られてない点だ。
というのは対中姿勢が苛烈だからだ。
親中派が多い自民の派閥からは鼻つまみにされ、公明党からしてみれば「応援できない」対象のため推薦を出さないのだ。
これにより公明票は期待できないが、勝てないわけではなかった。
しかし２０２１年は維新の勢いが強すぎて落選してしまった。
公明支持の大阪14区有権者が維新に票を入れたと言う。実際は公明支持者は長尾に入れたが、消極的自民支持者の多くが維新の青柳に入れたというのが説として濃厚だろう。
それで負けたわけだが、何故かネット上では「長尾さんの落選は陰謀だ」「長尾さんは国士」「長尾敬を国政復帰させよう」という言葉が根強い。
単に実力が無いから落ちただけなのに、持ち上げる奴らが気持ち悪い。
大体この選挙区で出馬した維新候補の方が国際協力機構という組織に属したことのあるキレ者であり、政界に入ってから頭角をあらわしている。勝つのは難しくなる。まあ参院選に鞍替えすることもあり、新しい支部長に譲ったようです。

菅さんの使い

2021年の衆院選公示前にあった「柳本顕大阪3区出馬騒動」。マスコミがこの事を発表してから連立相手の公明党は怒り爆発。菅義偉前内閣総理大臣の頼みで、長尾は柳本顕の元へ向かい出馬を取りやめるようにした。その際こんな事言っていたらお笑いだろう。
「柳本、お前が出馬したら公明党は全ての自民党公認候補に推薦を出さないと言い出している。それで多くの自民党公認候補が落選したらどう責任取るつもりなんだよ！」
いくら取りやめてもらうとは言え、この事を元から公明党の推薦貰えない奴がブーメランかましているだけである。
まあ実際は選対委員長と共に大阪に向かい、柳本の叔父を使いなだめて「上位の比例単独候補」に落ち着かせた。
だからと言って完全に柳本顕を納得させたわけではない。コイツはなんとしてでも議員という地位にしがみつきたい奴だ。隙を見せたら次の総選挙で再び牽制をかけてくるかもしれない。

やっぱりコイツも関西の自民や

関西の自民は何処か矛盾したりおかしい行動を取ることが多い。
長尾敬も例外ではない。

東京15区補選の応援先

2024年4月に行われた、衆議院東京15区の補欠選挙。
9候補…いや妨害ばかりつばさの党を省いた8候補によるカオスな選挙にて、立憲民主党公認で共産党らが推薦・応援した野党統一候補が勝利した。
とはいうものの長尾が所属する自民党はこの補選には候補を擁立していなかった。しかし長尾はこの補選で熱烈に応援した候補がいた。
それは日本保守党公認で出馬した飯山陽氏である。
どうやら政治的な立ち位置が似ているから応援しただろうし、自民候補がいない選挙区で個人的に誰を応援するかでギャアギャア言うつもりはない。
自民候補がいるにも関わらず他の党の候補を応援する輩よりはマシである。大阪府知事選で岸田文雄も応援した自民系の谷口真由美よりも参政党候補を応援した西田昌司や衆院選総選挙の大阪10区で自民党公認候補がいるにも関わらず、立憲民主の辻元清美を応援した山﨑拓よりかはね。

とは言え

他の大阪自民党員よりかは、維新に対しては攻撃的ではなく(もちろん選挙で戦うとなれば激しくなる)普段は発言は避けている。
多少引けばいずれは維新から離れると踏んでいるんだろう。
押しまくって維新を貶しまくる大阪自民の市議団や小選挙区の支部長は見習うところはあると思うよ。正直大阪は次の総選挙でも維新が手中に納めるの確実な状況で貶しなくってもなんの得にもならへんで。