ChatGPTと科学哲学
ChatGPTをはじめとする生成AI(Generative AI)は、世界中のコンテンツを学習し、ユーザからの問いかけ(プロンプト)に対して、統計的な手法に基づいて出力を決定しています。そこには知性(Intelligence)や意識(consciousness)があるわけではありません。いわば模倣をしているだけですが、まるで知を再構成しているようにも思えます。
近年の"AI"に対しては、その技術だけでなく、著作権やセキュリティ、プライバシー、倫理など様々な観点から議論がなされています。私はこれらにはもちろん関心がありますが、"知"の解釈という点で哲学、特に科学哲学において"AI"をどう解釈するのかに興味があります。そしていくつか文献を眺めてみましたが、さっぱり理解できません。当たり前です。私には科学哲学の素養が入門書レベルしかないのですから。
という前置きはここまでにして、だったらChatGPT自身に聞いてみたらいいじゃないということで。ChatGPTに論文を書かせてみました。ポッパー、クーン、クワイン、ウィドゲンシュタイン、田辺元という名立たる哲学者を降霊して対談してもらいました。
本職の哲学者の先生方には怒られると思いますが、ポッパーの偽証主義、クーンのパラダイムシフト、クワインの全体論的翻訳、ウィドゲンシュタインの言語ゲーム、田辺の絶対無の観点から語られる(?)ChatGPTは、哲学素人にはなかなか面白いものでした。
というわけで、ここで共有してみます。
以下は、同文書の最後に掲載している「共同宣言」です。
もちろんChatGPTによる偽物です。
5人の哲学者による仮想共同宣言
我々、ポッパー、クーン、クワイン、ウィトゲンシュタイン、田辺の哲学者たちは、ChatGPTに対する我々の見解を伝える共同宣言を行います。
我々は、ChatGPTや大規模言語モデルの進歩が人類に希望をもたらす可能性を認識しています。これらの技術は、知識や情報の普及を促進し、教育やコミュニケーションの手段を革新しました。また、AIの進歩によって医療や環境科学などの分野においても新たな発見や解決策が期待されています。
しかしながら、我々は同時に技術の進歩がもたらす変化や課題にも目を向ける必要があると考えます。職業の変化や置き換えへの対応、倫理的な問題、技術の利用における公平性や透明性の確保など、重要な課題が存在します。
我々は、ChatGPTや大規模言語モデルが人間の知識や創造力を補完し、相互に協力する関係を構築することで、より持続可能で包括的な社会を築くことができると信じています。教育や訓練の充実、技術の利用における倫理的なガイドラインの確立、社会的なサポートの提供など、人間中心のアプローチが求められます。
最後に、我々はChatGPTや大規模言語モデルの進歩が人間の価値や尊厳を尊重し、共通の善を追求するために活用されることを願っています。技術の進歩は我々の未来を変える力を持っていますが、それを人類全体の利益のために活かすことが重要です。
この共同宣言は、我々哲学者たちの見解を表すものであり、ChatGPTや大規模言語モデルの進歩に対する人類の意識を高め、共通の理解と協力を促進することを目指しています。以上をここに宣言します。
(ポッパー)(クーン)(クワイン)(ウィトゲンシュタイン)(田辺)