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お風呂の思い出


■日の出湯

高校卒業までずっと日の出湯に通っていたが、小学4年位迄あった大きな体重計は1貫、2貫と測る「貫・匁(もんめ)」秤だった。1貫は3.75㎏。1貫は1000匁で、1匁は3.75g。小4の時の体重は5.6貫くらいだったと思う。痩せていたのだ。

貫・匁の体重計

それから少しすると湯船のお湯が循環式になった。それまでは、お湯の表面には垢がいっぱい浮いていて、誰かが入ってきてお湯が溢れそうになった時に手でお湯と一緒に垢を流し出していたので、循環式は画期的に思えた。しかも、日本には生息しないライオンの口から出てくるのだから、異国を思わせカッコよかった。

「貫」とか「匁」というと、その頃、砂糖はまだ量り売りだった。お使いに行き「砂糖を1斤下さい」という風に注文すると、紙袋に入れてくれた。

砂糖は1斤600gだが、パンの1斤は違うようだ。


■先輩の覗き見

高校時代のバレー部、F先輩の話。

「俺んちの傍の家には風呂があってよ。その風呂の壁に小さな穴が開いてるのよ」

「こないだ覗いたらよー」
「うわ~、見えたんですか!」
と、聞いている部員が羨ましそうに叫ぶ。

「見えたさ。女の子がこっち向きで体洗ってた」
「それで、それで!?」

「そしたら、その子がすくっと立ち上がったらさ」
「!!」
「目の目が真っ黒になった…」

部員一同大笑いしました。


■先輩が見たもの

F先輩の話が続いた。

「お前たち、中学の修学旅行でどこ行った?」
「登別温泉とか」

「だろ? あそこの温泉はライオンの口からお湯が出てたろ?」
「出てた、出てた」

ライオンの口の中から…

「あの出てくるお湯の上の隙間から女湯が見えるんだぜ」
「知らんかったなー! ホントですか!?」

「ホントよ。俺も先輩から教えて貰ってたからよ」
「見たんですか!?」
全員体を乗り出した。

「あたりまえよ」
「それで!!」

「俺が覗いたらさ、目が見えた

部員一同、吹き出しました。

勉強はいくら繰り返しても覚えられないのに、こうした馬鹿な話は、一度聞いただけで決して忘れないのは何故だろう? もしかすると、知らないうちに、勉強より多く反復しているから?(笑)

(まこと)




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