吹雪の中の集団下校
ふと思い出したのですが、紋別小学校時代の冬、集団下校をしたことが2,3度ありました。低学年の時です。
その時は、授業中に吹雪がひどくなり、生徒たちも窓の外を見ながら心配していると、
「今後吹雪が一層ひどくなることが予想されます」
「集団下校をするので、○○町方面の生徒は何年何組に集合してください」
との校内放送がありました。
急いで帰り支度をし、指定された教室に集まった子供たちは、年長さんを先頭に、もう一人の頼りになりそうな人を最後につけ、列をなして帰りました。
もしかすると先生1人が引率していたかも知れませんし、また、そうした地区もあったかもしれませんが、僕の記憶の中では子供たちだけでした。
みんな、黙々と前の人の背中を見ながら、吹雪に立ち向かう気持ちで帰りました。ひどい吹雪と寒さで、手足がどんどん冷たくなっていきます。足の方はどうしようもありませんが、手は、手袋の上から息を何度も吹きかけて温めようとしました。
でもそうすると、手袋の先がたちまちカチカチに凍ります。
「しまった!」
と思っても、もう遅いです。そうなるとまた息が届くように、手袋の先をかじって柔らかくするのですが、これも何の役にも立ちません。ただ口の中に毛糸のような、唾液のような、なんか変な味が残りました(笑)。
誰も、怖いとか、寒いとか、冷たいとか、泣いている子はいなかったと思います。なにしろ、黙々と頑張らなければ家に帰れないのですから。
懐かしい思い出です。もしかすると、今でも雪国では行われているかも知れませんね。
面白いことに、この集団下校の思い出は、いつも、右から左に歩いている姿です。これはオホーツク海を背に、右手に小学校、左手に家を見ている構図だと、これを書いていて気が付きました。
(まこと)
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