紋別の夕焼け
紋別の夕焼けはものすごく綺麗です。
■最初の驚きは中学時代
中学の時の先生が「先生ここの夕焼けは、今まで見た中で一番きれいだ」と、授業中に話されました。僕も紋別の夕日が大好きだったので、他の赴任地で夕焼けを見てきた先生がそう言ってくださったのですから、とても嬉しかったです。「そうだよね!」と。
■2番目の驚きはダンスサークルで
それから何十年も経ち、朝霞市の社交ダンスサークルに入ってきた若者がある日、「先生は紋別でしたよね。私は学生時代に北海道を周りましたが、紋別の夕焼けはすごいですね! あんな夕焼けどこでも見た事ないですよ!」
と話して、僕を驚かせ喜ばせました。
「やっぱり、そうだよね!」
■3番目の驚きはバイオリニストからのプレゼント
それほどだから、故郷を離れてから随分長い間、オホーツク海が見えないことと紋別の夕焼けが見えないことが悲しくてしょうがありませんでした。
そんな気持ちを口笛で「SUNSET」という曲にすると、プロのバイオリニストのナイジェル・フィンツィ(Nigel Finzi)さんがアレンジしてテープにしてプレゼントして下さいました。大変驚きました。1973年のLondonのことです。ナイジェルさんは映画「屋根の上のバイオリン弾き」でも弾いていたと人伝に聞いたことがあります。
■4番目の驚きはイスラエルからのリクエスト
2012年、カセットテープが劣化する前に「SUNSET」を記録に残そうと、YouTubeにアップすると、すぐに、使わせてほしいとのメールが来ました。それはイスラエルに住むシェミ・ペリー(Shemi Perri)さんからです。
彼はその昔、イギリスでダンスを習った経験があり、その頃撮影した8ミリにこの曲を使いたいと依頼してきたのです。断るわけがありません。そのスタジオは、私が愛読している"Modern Ballroom Dancing"の著者アレックス・ムーアのスタジオなのですから! しかも、そこには他にも、教師用ダンステキストを書いた超有名な人物が写っています。
この映像の最初に流れるのが「SUNSET」です。
シェミさんについて後に知ったことが二つあります。一つは、プロフェッショナル・ダンス連盟の元イスラエル会長だったこと、そしてもう一つは、彼もプロのミュージシャンだったことです。そんなプロのミュージシャンから「使わせて欲しい」と言われたのですから、ナイジェルさんのアレンジの素晴らしさを証明してくれました。
■5番目の驚きは紋別観光振興公社で
2023年4月、何十年ぶりかで帰郷した折、紋別観光振興公社を訪ねました。そこの代表取締役が高校時代の仲良しであることを知ったからです。ほんの短い時間でしたが、懐かしい高校時代のことを話していた時、紋別の夕焼けの話題になりました。
僕が「紋別の夕日は綺麗だよね」と話すと、「まこっちゃん、あれは潮見町の方からがすごく綺麗なんだよ」と言うのです。
驚きました。紋別に居たときも、紋別を離れてからも、「潮見町」から見る考えは一瞬も沸いたことがありませんでした。常に自分の家から見た大山に映える夕日、それだけでしたので、一面的な見方しかしてこなかった自分に驚いたのです。きっと、自分の人生の中のあらゆることに於いてもそうだったに違いありません。残り少ない人生であっても、もう少し多面的に考えるようにしなくてはと反省しました。
■夕日の映像があるといいな
全国には紋別の夕日を思い出している人、見たいと思っている人もたくさんいると思います。誰か夕日がきれいに見える何か所からの映像を(写真も良いけど映像を)YouTubeにアップしてくれる人はいないでしょうか? BGMは不要で、ただ夕日が沈み切るまでの数分間を映し続けるだけの映像でよいので。
そんなのを紋別観光振興公社のHPや紋別市役所のHPにアップしてはどうでしょう? 観光促進になるかも知れません。「オホーツク流氷公園」のパンフレット右片隅に夕日の写真があるのは、紋別の人たちもその美しさを十分認識している証拠でしょうし。
(まこと)