ボンナイフ
2020年のことだが、妻の実家から昔のプラモデル「驚異の人体」が出てきたので貰ってきた。かなり古いもので、当時、結構高かったに違いない。
家でパーツをいじっていると、箱の隙間から、こんなものも出てきました。「危ない、危ない」
「これが出てきたよ」と見せると、懐かしさのあまりに「ボンナイフ!」と叫ぶ妻がいました。
それにしても、刃に「ナイフ」の文字が抜かれてたことは二人とも思い出しませんでした。
◇ ◇ ◇
私たちが小学生の頃の筆箱にはこんなボンナイフが入っていました。
私の場合、確か小学校の入学前に兄妹から鉛筆の削り方を教わりました。
最初はうまく削れません。すると、姉たちが「やってあげるね」と言って、綺麗に削って筆箱に並べてくれるのです。
兄妹で、誰が一番綺麗に削れるかを見せ合いました。
そのうち、くるくる回すだけの鉛筆削り器が出ました。削られて出てくる木くずの模様は綺麗でしたが、いつも同じに削れるのがつまらなく思いました。
「それにしても…」、と思うことがあります。
「綺麗に削るのは才能」と。
私は今もナイフ派ですが、いまだに、あの頃のお姉ちゃんのように綺麗に削れないのですから!
兄妹で「誰のが一番綺麗」と見せ合った遠い日々の記憶は、いつまでも輝いています。
「驚異の人体」は一通りいじってから捨てましたが、錆びたボンナイフの刃は取ってあります(笑)。
(まこと)