(舞台感想)この世界の片隅に
朝ドラ ‘‘ブギウギ‘’ で夜来香を歌う昆夏美さんを拝見し、チケットを取ると決めました。
コントロールされた美声が別格で、舞台で聴かねばならぬと思いました。
場所はSkyシアターMBS。
原作を読んでいなくて、お話の理解が間違っていたらごめんなさい。
第1幕
プロローグ的で、すずさんのおっとりした性格や、周りの人との関係性が丁寧に描かれていました。
第2幕
ぼーっとしているかに見えたすずさんの、芯の強さや怒りが顕現化し、感情の幅が大きく見えるようになりました。
昆さんの歌を聴きに来た私としては、楽曲にバリエーションが出て嬉しかったです。1幕は正直どうしたものかと思っていました。
市井の者たちが、許し許されて生きていく。丁寧に描かれるストーリーに、2幕の後半からずっと泣いていました。
演者様
昆夏海さんは素晴らしかったです。
歌を目当てに行ったのですが、お芝居にも心打たれました。
特に晴美さんを亡くすシーン。すずさんの後悔が胸に迫り辛かったです(戦争のせいであり、決して彼女が悪いわけではない)。
村井良大さんの周作さんもチャーミングでした。口数は少ないですが、すずさんを大切に思っている(実は)頼りになる男。彼が舞台に登場するだけで、信頼できる雰囲気がありました。
お二人共、一貫して控えめな表現をされていました。そこが良かったです。
蛇足
感覚的なことですが、音響と気が合わなかったです。オーケストラの大音量に負けないためなのか、歌声が素晴らしく増幅されている気がして、どの程度が本来の実力なのかなと余計な事を考えました。合唱は全ての音がドーンと直線で飛んできてたじろぎました。
(調べるとこのホールの音響は世間的に大絶賛されていますので、私の耳が悪いことは明らかです。)
今回は1階席でしたが、2階席のほうが私には合っているのかもしれません。考えれば、梅芸や芸文で最近見たミュージカルは全て2階席でした。1階席だとスピーカーの音をダイレクトに受けるからでしょうかね?
私は2階席は大好きです。2階席を指定して取りたいくらいです。どこかでご検討頂けないかしら。
お読みいただきありがとうございました。
●データ(観劇した大阪の回)
公演日程
2024年7月18日(木)~2024年7月21日(日)大阪府 SkyシアターMBS
スタッフ / キャスト
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(ゼノンコミックス、コアミックス)
音楽:アンジェラ・アキ
脚本・演出:上田一豪
出演
浦野すず:昆夏美
北條周作:村井良大
白木リン:桜井玲香
水原哲:小林唯
浦野すみ:小向なる
黒村径子:音月桂 他