自分で選んだ道
私は、大学の時は就職活動と言うものがどう言うものなのか知らずに過ごしていた。たまたま大学の求人ファイルを見てピンと来た。ホテルのフィットネスクラブ。
「最近届いた求人やしめちゃくちゃいいよ!」試験を受け、就職が決まった。
引越しして仕事を始めたが、フィットネスクラブに就けるのは3ヶ月後。。その期間は研修期間であり宴会サービスで働く。
全くやった事ない職種で、お皿の持ち方や下げ方らお酒のつぎ方、ナフキンの折り方。
バックに帰ったら「はよ持っていけ」「そんな持たれへん」と声が飛び交い、宴会場へ行けば「タバコ買って来て」「まだ来てへんけど」「水割りで」(水割りが何か知らなかった)といっぱいいっぱい。
敬語も上手に使われへんのに、英語で喋られもうパニック。
ただただ向いてへん。
化粧もしてけぇへんかったし、ヒールなんて1日中履いた事なかったのに。足痛い。
でも耐えた。耐えたよ。
休み数えながら、スケジュール帳に休みと書いてあるところだけみて、「あと◯日、あと◯日…」と。
そして3ヶ月の研修期間を終え、帰ってこれたフィットネス。入社前にバイトとして入っていたので仕事内容はある程度把握しながらもやはりお客様への対応は、新人であり怒られながら日々を過ごした。
ある時、家に手紙が届いた。
教育実習で担当してくれた先生から。
就職する事も伝えていたが、教師になりたいと意気込んで実習に臨んでいたので本気で指導してくれた。
内容は手紙3枚前後。
「教師として戻る気持ちはないのか?」
もしその気持ちがあるのなら、連絡してほしい。いつまでに返事が欲しいと言う内容だった。
揺らいだ。
体育が大好きで、それだけで中学校時代を乗り越えてきた。辛い事もある中で体育の授業がある時は頑張れた。
中学校が嫌いだったから、先生になって中学校嫌いな子を少しでも助ける。
1年目で辞める?
3ヶ月耐えたのは?
引越ししたよな?
と、いろんな思いが。
電話した。
「先生、手紙の返事ですが、戻ります。これからどうしたらいいですか?」
決めた。自分で選んだ。
あれから、15年。
特別支援学級の先生になり、学校が嫌い。教室が嫌や。と思う気持ちに寄り添い、あの時の選択した自分になっている。