恋愛話。part3
大好きなだいすきなダイスキな彼の彼女に、
3年のときを経てなったわたし。
わたしは地元の部活に忙しい高校生。
彼は千葉の先端に住んでる大学生。
会えるのは、二、三ヶ月に一度。彼が夜中に車で向こうを出発して、4時間後の朝、こっちに到着。
わたしは朝、学校に行くフリをしてそのまま彼が迎えに来てくれるコンビニに向かって、学校サボってデート。
地元でのデート。近くにいたら知ってる人に会うので、熱海までドライブ。その足で、指輪を買ってくれて、右手の薬指に初めて指輪をしたわたし。指輪をもらうのも、初めてで。
熱海の海沿い、テトラポットが並ぶ波打ち際を歩いて、美術館にも行って、部活が始まる時間までに学校に戻る←ここは必須。
あとは、朝からラブホに立てこもって、コンビニでわんさか買ったお菓子を食べて、ひたすらカラオケやお風呂や(恥ずかしくて水着着て入ってた)
一緒にLEONを観たから、大好きな映画になって、
マライヤのライブを観てたから、大好きな曲になって、
彼との時間が私の全てになっていった。
一緒に観た映画の主題歌も、いまだに大好きな曲。
ちなみに「カントリーロード」byジブリ。
会えない間は週に一回、深夜に家電にかけてきてくれて、5時間とか話し続ける。
わたしは携帯がないから、いつもはベルを鳴らす。そのために、彼が偽テレを仕入れてわたしに送ってくれて。
交換日記を一ヶ月ため書きして、送り合ったり。
離れてても、わたしの頭の中は彼でいっぱいで、寂しいなんて思ったこと一度もなくて。
同級生の友達に、
「幸子は偉いよね」
って言われたけど、偉いの意味が何にもわからなかった。大好きなんだから当たり前じゃんて。
大学で関東に出るつもりだったから、彼と一緒に住もうと、少しずつ可愛いペアの食器を揃えて、自分の部屋に飾って、にやにやしてた。
大好きでだいすきで、だいすきだった。
幸せでシアワセで、たまらなかった。
今でさえ、夢のようだと本当に思う。
そんな日が、急に終わった。
ある日の夜。はっと、目が覚めた。
その直後、深夜にベルが鳴る。
何にも予兆なんてなかったのに、嫌な予感だけしかしなかった。
嘘みたいに、ベルが鳴る前に目が覚めるなんて。
「ワカレヨウ」
意味が分からなくて、夜中なのに彼に電話した。
黙っている彼。
その後ろから、誰かの声がする。
女の人の声だ。他の誰かと一緒にいるんだ。
そのあと、何を話したかよく覚えてなくて、
翌日、もう一回公衆電話で話したけど、なんかわたしはそのとき変に冷静で。
急に、わたしの恋に終わりが来た日だった。
次の日、学校に行って、クラスについて、
やっと涙が出た。大泣きした。
泣いて泣いて、帰宅して、彼からもらった指輪、一緒に撮った写真、交換日記、全部箱に詰めて、彼に送り返した。
少しは辛くなったらいいのに、って願いをこめて。
でも全然ふっきれるわけなんてなくて、
ずっとずっとやっぱり大好きで、
毎日毎日彼のこと考えて、ため息。涙。
忘れられるわけない。
それでも時間は全てを解決してくれるじゃないけど、当たり前のように毎日を過ごさなきゃいけなくて、わたしは泳がなくちゃいけなくて、
少しずつ少しずつ、普通の毎日に近づいてきたのがようやく半年後ぐらいだったかな。
なんでかわからないけど、
彼に別れてから初めて、ベルを入れたのでした。
あれ、最終章のつもりが終わらなかったっ。
次で本当に、ダイスキな彼のお話最後です。
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