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無関心オットと戦うヨメ!⑳〜アスペルガー症候群って?②〜
こんにちは、戦うヨメです♪
今回のタイトル画像は昔撮った朝露の写真です。接写が大好きなので、こんな写真ばっかり大量にあります笑
さて前回はたくさんザ・アスペルガー!
なエピソードを載せました。今回もアスペルガー全開なエピソードを。
繰り返しになりますが、アスペルガー症候群はコミュニケーションや対人関係に障害があります。
ただ表面上は問題なく会話できるので定型にみられがちだと言う事は前回も書きました。
会話の裏側や行間を読むことが苦手な為、明確な言葉がないと理解ができない傾向があります。比喩的表現などを鵜呑みにしてしまう傾向があるため、意味を間違って解釈してしまいトラブルへ発展するという事が多々あります。
長男が生まれたばかりの、私がまだオットのASDの特徴に気づいていない頃。
私は産後のボロボロの体、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、疲労…そして慣れない育児に常に気を張っていて、産後はとにかく大変でした。当時のことを思い出すと今でも涙が出そうになります。人によるとは思いますが、産後の体は全治2ヶ月の交通事故と同じなんて話も聞いた事があります。
私はこれを大袈裟とは思わないー…。
マジでそうかも、と思うくらい、長男出産直後はしんどかったです。
だけどこのか弱い小さな命を守らなきゃと、とにかく必死でした。
そうした日々を送っていると、呑気にスマホゲームをしているオットが憎々しくて腹が立ちます。
頼み事をすればやってはくれるけど、頼まれた事が終わったらまたすぐテレビかスマホ。
頼まなきゃやらないし察してもくれない。
何もできないながらも、労りの言葉や、労いの言葉をかけてくれるなら少しは救われますが、そんな事自発的にするわけがありません。思いつきもしないでしょう。
2,3時間おきの頻回授乳とは言っても、授乳の後なかなか寝てくれなくて、気づけばもう次の授乳時間なんて事も多々。なので、全く眠れない日もありました。スッと眠りについてくれた時は自分も眠れるのですが、なかなかそううまくはいきませんでした。
その日私は、やっと眠った長男にホッとして、ベビーベッドのそばのソファで少し眠ろう…と思いウトウトしていました。21時頃だったと思います。
そこで、突然ついたテレビの音で目が覚めました。
それと共に、泣き出す長男。
状況を理解できずにいると、ソファに横になった私の隣にリモコンを握っているオットが座っていました。
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キッチンに近い方が都合が良かった。
「え!?何してんの!?」
驚いて起き上がった私に、オットは平然と言いました。
『テレビ見てる。』
「そんなの見ればわかるよ!」
私が言った何してんの?は、
何してくれちゃってんだよボケ
と同義なのですが。
おそらくこの時オットは
(何してると聞かれたから答えたのに。
見ればわかるなら何で聞くんだよ)
と思ったに違いありません。今ならわかるのですがこの時は何を考えているのか全くわかりませんでした。だって普通の感覚なら喧嘩売ってるようにしか思えませんよね…。
「やっと寝ついたところなの知っててなんでテレビつけるの?起きるに決まってるよね。
馬鹿じゃないの?」
『馬鹿じゃないけど。』
と、真顔で言ったオット。
私は、は?逆ギレ?と更にイライラしました。
オットにとってこの返答は
Q.あなたは馬鹿ですか?
A.いいえ、私は馬鹿ではありません。
という、ただの質問に答えただけのなんの深い意味もない会話なのです。嫌味を鵜呑みにしているだけ。
平然と的外れな返答をするオットが、当時の私には喧嘩腰にしか感じませんでした。
そんな様子に、今までの我慢していた不満が爆発し涙が溢れました。
「あのさあ!私大変なの見てたらわかるよね?
長男やっと寝ついたのに、テレビなんかつけたら起きるの普通にわかるでしょ?
私だってやっと少し眠れると思ったところだったのに。
育児に協力するどころか妨害してるじゃん!!
私や長男に迷惑かけてまでテレビ観なきゃいけないならもう勝手にして。ずーっと自分の部屋でテレビ見てゲームしていれば!?」
ワッと不満を吐き出し大泣きする私と、騒音おじさんのせいで目覚めてしまい、ほぎゃほぎゃと泣き続ける長男。
オットはしばらく無表情で傍観していましたが、不意にスクッと立ち上がりました。
そしてそのまま無言で階段を上がり二階へ。
(この状況放置して二階にいくんだ)
と、私は心底傷つきました。
(もしかして頭を冷やしてから話し合いに降りてくるのかな?)
と淡い期待を胸に抱いていましたが
オットはその日一階に降りてくる事はありませんでした。
驚くことに彼は自分の部屋でずっとゲームをしていたのです。
そうとも知らず私は、きっとオットは今自室で色々考えているんだ。もう少ししたら降りてきて謝ってくれる。そして2人で協力し長男の育児をしていけるんだと信じ、次々と溢れ出る自分の涙を拭きながら、泣きじゃくる長男をあやし寝かしつけました。
でも結局降りてこなかったオット。なんて薄情で愛のない人だろう、と私は落胆しました。
その翌日も、そのまた翌日もオットは帰宅してご飯を食べ入浴をするとすぐに自室へ籠るようになりました。
二階に上がった時にテレビの音やゲームの音がするのでその時はもうさすがに彼が何をしているのかは気づいていました。
私は彼は不貞腐れているのだと思いました。
あれだけ気持ちを伝えたのに、それを無視され放置された孤独と悲しみ、何より長男に関わろうともしないオットに失望、そして絶望しました。
(これから何十年と共に子育てしていく父と母なんだから、子供がまだこんな小さな時からこんなにレベルの低い喧嘩をしてる場合じゃない。もう一度話をしてみて、それでも理解を得られないようなら、父親の自覚のない最低野郎だから子供のために別れよう。)
そう思い、私はオットの部屋へ行きました。
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「ねえ、何を怒ってるの?」
私が聞くとオットは言いました。
『え?別に怒ってないけど。』
「何も協力してくれないでずっと引きこもって、いい加減にしてよ。私が1人で育児していて何も思わないの?何より長男の事気にならないの?」
私が言うと、オットは無表情で言いました。
「ヨメが自分の部屋でテレビ見てゲームしろって言うから。」
この期に及んで喧嘩腰でくるのかとハラワタが煮え繰り返る思いでした。
「私のせい?なんでそんな子供みたいな口答えするの?私に不満を言われて不貞腐れてゲームするなんて低レベルすぎる。
父親として有り得ないし軽蔑する。」
『不貞腐れてはいない。部屋でやれって言うからやった。』
オットは終始無表情です。
「いつ私が、"私と長男の事は放っておいていいから部屋に篭ってテレビ見てゲームやってて下さい"ってお願いした?」
『いや。そう言ったんじゃなくて、勝手にしてって言った。ずっと部屋でテレビ見てゲームしてればって。』
オットは、私が本気で自分の発言を忘れ、どう言ったかを質問しているのだと思っているので発言の詳細を説明し始めました。
しかも、やっぱり責任の所在は私にあると言うような口ぶりです。
(完全に喧嘩売ってる!)
と思いましたが、彼の表情はあまりに普通すぎて、私はそこで初めて、彼はまさか本気で言っているのか…?と思いました。もしそうならあまりの噛み合わなさに絶望しかありません。
「私に言われたからそうしたって言いたいの?あなたがそうする選択をして自分で行動したんだからあなたの意思でしょ?
私が言いたいのはそんな事じゃなくて、新生児の育児1人で必死でやってる私見て、夫として、父親として、何か思わないの?」
『何か…?』
オットは困惑したような表情を浮かべ、少し考えてから言いました。
『特に何も思わない。』
この発言に、私は放心状態になりました。
サーと血の気が引いたように、体が冷たくなった感覚がしました。
ただただ噛み合っていない。
彼の心には何も響いていない。
私たちの間には大きなズレがあるー…。
そのズレによって境界線のような歪みが生じていて、私達は交わることのない別の世界線で生きているのだと感じました。
ものすごく気持ちの悪いこの違和感の正体も出どころもわからない。
うまく説明もできない。
でも確信した。
彼は何かがおかしい。
オットが本当に不貞腐れて逆ギレしていた方が、どれだけマシだったかー…。
恐らく、このまま彼といくら話しても堂々巡りで、望むような結果は望めない。それどころか私は彼と話す度にどんどん彼に失望していくだろう、と感じました。
私は彼と向き合うことも、彼から離れることも、全て放棄しました。
別れるとか別れないとか、もう疲れた。考えるのをやめよう、と。
底なし沼で1人もがいているような、最悪な気分でした。
そして私は無気力になり、家事を全くせず、ただただ育児だけをしていました。
溜まっていく洗濯物、荒れていくリビング。
そんな様子を見ていても、何も言わないし、何もしないオット。
長男は、数年の不妊治療の末に体外受精でやっとやっと授かった宝物です。
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全てが奇跡の連続です。
切迫流産も乗り越えて、やっと産まれてきた、この世の何より愛おしくて大切な宝物。
オットにとってもそうだと思っていたのに。
こんなに可愛い長男を同じように愛しているはずと信じていたのに。
だけどそれを疑わなきゃいけないなんて悲しすぎる。どうして?
と、私はずっと考えていました。
私は長男を出産した時に出血がひどく、貧血になりました。輸血はギリギリされなかったのですが、しばらく週に一回鉄剤を打ちに行っていました。貧血による視界不良や頭痛に毎日悩まされながらも、2,3時間おきの頻回授乳。
とにかく疲労しきっていました。
更に長男は先天性両内反足という足の障害を持って生まれてきました。
長期的な治療が必要な障害なので、生後すぐに治療を開始し、小さな小さな足を切開して手術もしました。そしてこの頃は毎週足のギプスを替えに病院に通っていました。
そういう不安を日々抱えていたこともあり、私の気持ちは常に張り詰めていました。
その張り詰めた糸が、今回のオットの事でプツンと切れてしまったのです。
何か思わないの?
何も感じないの?
どう思ってるの?
など、抽象的な問いかけではいけなかったのです。そうすると、何を聞かれているのか、何について言われているのかわからず
(何かとは…?まあ別に思わないかな)
という思考になるのです。
そんな事わかるわけもない私は、ただオットは私と長男の事を愛していないのだと思い深く深く傷つき塞ぎ込むばかりでした。
つづく