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無関心オットと戦うヨメ!⑰〜20歳の私に見えた老後の2人〜
こんにちは!戦うヨメです♪
無関心なオットと戦い続けてもう15年、今日も今日とて無関心叩きつけられながらも頑張っております。
前回も結婚前のお話を書きました。
高校の奨学金を毎月返済しながら、ワーキングホリデーの制度で英語圏へ行く事を目標に18歳からお金を貯めていた私は、転がり込んできたオットにお金を使いお世話する生活をグダグダと続けたくなかったので、
"ちゃんと"同棲する事を提案しましたが、驚きの回答にて却下されました。
その言い分にはたくさんのツッコミどころと疑問がありました。
さて、今回はその続きのお話です。
会話の本質的な部分がわからない
「オットさんは"実家はお金かからない"って言ったけど、私は一人暮らしだよね。そこんとこはわかってくれてるの?」
私は一番のモヤモヤをぶつけてみました。
『わかってるよ。』
オットは平然とそう言いました。
「わかっていながらその言い分はおかしい!ひどすぎるよ。」
〜今ならわかる!その1〜
彼のこのわかってるよは
ただ単に
"ヨメが1人暮らしって知ってるよ"
という意味です。
私が本来の言いたい意味である
"私は一人暮らしで色々お金の負担かかってるのわかってくれてるの?"
についつは全く汲み取っていません。
その言い分なんてふわっとした言い方は絶対に絶対に伝わりません。
わかってるよとだけ答えたのに、何が"その"を指すのか皆目見当もつかないのです。
オットは黙っていました。
私はそんな彼を見て
図星で返す言葉もなくて黙っているんだ、
私の言いたい事が伝わったんだ、
と思いましたが…
〜今ならわかる!その2〜
理 解 し て い な い だ け
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私の言葉を受けて、思うところがあり黙っているのだと思い込んでいる私は、ここぞとばかりに溜まっていた気持ちを吐き出しました。
「そもそもその年齢で実家暮らしはちょっとね…。」
〜今ならわか(以下略〜
ASの特徴を持つオットに、この濁した発言など全く通用しません!!言葉の裏に込められた嫌味や皮肉の意味を理解せずにそのまま受け取るASには、
ちょっとね…なんてまず理解不能です。
ちょっと?何がちょっとなの?
と思うだけです。
オットとのやりとりの例
「バカにしてるの!?」
『…?バカにはしてないけど?』
「ふざけてんの!?」
『なんで?ふざけてないよ?』
「その漢字をまさかそう読んじゃうなんて!笑
さすがあったまいーねーw」
『??別に頭は良くないけど』
私の言葉を嫌味や揶揄する表現だと気付かず、心底理解不能だという表情を浮かべ、時に首を傾げなら言うのです。
額面通りに言葉を受け止め真面目に返す
これがASです。
一度ぬるま湯から上がって自立して欲しかった
オットの実家は自営業をしており、大豪邸を持つお金持ちでした。
実家には彼の両親、祖母、兄夫婦と子供3人(後に4人となる)が住んでいましたが、三階建てで各階にトイレや洗面所があり、居住スペースが分かれていたので、そこまで気にせずに暮らせていたのだと思います。
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もしオット自身の所得も高いのであれば、生活水準はそのままで良いと思いますし、わざわざ私も口出しなどしません。
でも彼はごく普通の仕事で、当時は恐らく彼の年齢の平均の給料より少し低かったと思います。
彼は次男ですから実家がお金持ちであろうと特に関係はありません。
だからこそ家を出た時、そんな生活が染み付いてしまったままでいるのは絶対に良くないと思いました。
「同棲しないにしても、お金云々抜きに考えて、オットさんは一回実家出た方がいいと思う。実家が楽なのはわかるけど、一回くらい自立した方が絶対いい。」
自分よりうんと年上の彼氏に、こんな事言う羽目になるとは思ってもいませんでした。
まさかの急展開に困惑
するとオットはしれっとこう言いました。
『結婚する時に家を建ててその時一緒に暮らしたいと思ってるから金は使わない。それまで実家で暮らした方が金貯まるし。』
私は突然の発言に、再び脳内でグルグルと考え始めました。
(結婚…?その言葉に信憑性はあるの?
私の人生プランが大きく変わる大事なことだけど…。それとも漠然としたまま何となく話してるだけ?)
と、私は聞きたいことが心の中で次々と溢れましたが、とりあえず端的に聞きました。
「結婚って…いつ頃の話?」
『来年か再来年』
「えっ?」
その時は付き合って4ヶ月くらい経った12月で、年末も年末でした。
来年か再来年!?と、私は内心驚きました。
高校生の頃なら、結婚しようねーなんて彼氏に言われて無邪気に喜んでましたが、さすがにその言葉だけで浮かれるほど現実が見えていないわけではありませんでした。
『俺もう30だし結婚する気ないなら最初から付き合わないよ。』
「まあ…それもそうか。私の目標である留学のことも視野に入れた上で言ってくれてる?」
『あー、なんかそんな事言ってたっけ。』
私の目標については散々話をしていたし、私がその為にかなり頑張っているのを一番近くで見てくれていると思っていたので、その発言に私はかなりショックを受けました。
『それってどのくらいの期間行きたいの?』
とオットは聞きました。
(さんっざん話したしあなた相槌打ってたよね!?バカなの!?ザル頭なの!?)
…とは言わず笑、人の話を聞かない&すぐ忘れるオットに真剣に話を聞いてもらうには今がチャンスだと思い、改めて以下のことを伝えました。
ワーキングホリデーの制度は一年である事、
イギリスへ行きたいけど審査が厳しいのでオーストラリアかニュージーランドあたりを考えている事、本当はワーホリのあと海外に移住したいと考えていたけど、今はオットといたい気持ちが大きくなっているので将来の移住については今はわからない事、でも年齢制限があるワーホリは若いうちに行っておきたい事など。
するとオットは言いました。
『無理だな、俺は。』
「え?無理ってどういうこと?」
『俺は遠距離なら一年でも付き合いを続けるつもりはない。』
オットは淡々と、でもハッキリとそう言いました。こういう大事なことは濁されるよりハッキリ言って欲しいタイプなので、とても傷つきましたがグッと受け止めました。
「それは海外行くなら別れるって事だよね?」
『うーん。まあ、そうなるな。』
「…そっか。」
どうしたらいいんだろう…私は考え込みました。
『行かなきゃいい。』
オットのバッサリとした発言に、私のグルグルはものの数秒でハッと止みました。
好きな人に、小さな頃からの夢を応援されない事はとても寂しいし辛い。
でも確かに彼の年齢で夢を追いかける彼女を応援する!と手放しで言う人はもしかしたら少ないのかもな、と少し納得できる部分もありました。
『老後は一緒に海外に住んでもいいよ。』
オットはそう言ってニヤッと笑いました。
私はその顔を見て、この人はなんて憎たらしくて魅力的な人なんだ、と思いました。
私は小さな頃から英語が大好きで、海外で暮らす夢が揺らいだ事は一度もありませんでした。
それなのに、オットの行かなきゃいいという血も涙もない言葉に一瞬にして、海外でのんびり暮らす年老いた2人を想像させられ、それを楽しみにオットと生きて行くのも悪くないのかもしれない…とまで思えたのです。
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高校の頃付き合ってる人に交換留学を止められようと、私の意思は全く揺るがなかったし、留学から帰国してギクシャクして別れてしまっても後悔は全くしませんでした。
でも、今回オットに行かなきゃいいとハッキリ言われた事を、私は自分でも意外なほどすんなり受け入れてしまったのです。
オットの腹の立つ性格は魅力でもあった
オットは年上のくせにワガママで自己中で偉そう。彼に対する疑問や不満は多々あれど、私はいつも感じていた事がありました。
彼に嘘は一つもない。過去の恋愛で裏切られてばかりいた私にとって、それはとても重要なことでした。
普通なら腹の中にしまっておくはずの、相手に知られたら自分にとって不利になる感情すら、あけっぴろげに解放している。
私はいつもこの人に奔走させられているけれど、ただシンプルにすごく好きだと確信しました。
今までの人と明確に違う事は、オットの隣にいる時の自分が、私は一番好きだということ。
「海外に行くって目標は、ずーっと先に延期にする。その頃まで一緒にいるって約束してね。」
私が小さい頃からどれだけ海外へ行く夢を強く抱き追いかけていたか知っている人には、驚かれる選択でした。
『いいよ。』
オットは何てことはないような顔でそう返事しました。
偉そうなやつめ、と私は思いました。
その日から、私は今も、オットと老後にのんびり海外で生活する事を夢見て生きています。
この約束をした日から、たくさんの困難が待ち受けていました。だけど今に至るまで、この時の自分の選択を悔やんだ事はありません。