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内科専門医になってみて

どうも、しがない専攻医というものです
題名と合ってないじゃないかと思うかもしれませんが、結局サブスペがあるため全然専攻医です。

自分は医師6年目で、今年第4回内科専門医試験を受けて一旦J-Oslerからは解放されたため、
備忘録的に徒然なるままに感想を書こうかなと思い筆を、いや、パソコンを手に取りました。
正直具体的なJ-Oslerの攻略法などは他の方の記事が死ぬほど分かりやすいのでそちらを参考にしてください。

自分はあくまで個人の感想として
J-Oslerがどうだったか、研修はどうだったかを
書こうと思います。

まず初めに結局J-Oslerってしんどいの?
という疑問が研修医や専攻医なりたての方から
出ると思うのですが、正直しんどいです。

しかし、これは症例数が多いとか病歴要約が
だるいとか一般に言われる事ではありません。
それについて書いていこうと思います。

1. ガチャ要素

J-Oslerは数多の運要素でしんどさが決まります。
まず第一に指導医です。
これはJ-Osler関係なく、全てにおいてそうだろと
言われればそうなのですが、
J-Oslerは担当する指導医が一人なので逃げ場が
ないのと、
何より嫌でもしっかり関係を持たなければいけない点でより運が絡みます。

基本的に内科指導医までとっているような先生たちなので、
大抵はいい先生が個人的には多いと思うのですが、やはりハズレ自分に合ってない指導医の先生もいます。

ちなみに自分の指導医はしっかり症例登録含め見てくれる熱心な先生で,
初めは結構修正が返ってきたりしていました。

ここで教育熱心で、ただでさえ多い症例登録を修正返してくるのってしんどくないか?と思った先生も多いと思います。
しかし個人的にはどうせ書くなら、自分の勉強になった方がいいなとも思うので、全然苦ではなかったです。
これも専攻医との相性という点で運だなとも思います。

一番良くないのは症例登録を全然返してくれない先生です。
修正でも承認でもなんでもいいからレスポンスしてくれっていうのが大抵の専攻医の本音じゃないでしょうか。
これはJ-Oslerの仕組みをよく分かってなかった指導医が開始当初は多かったからだとも思いますが、
だいぶ年数が経ってきてそういう先生も少なくはなってきている気がします。

第二の大きな運要素は査読者です。
J-Oslerは29症例の病歴要約を提出しますが、これは外部の査読者の目に触れます。
正直症例登録は内部だけの目にしか触れないのでなんとだってなるのですが、この二次評価における査読者は本当に運です。

もちろん査読の先生もほぼボランティアでやられてると思うので、感謝と尊敬しかないのですが、中には結構厳しい方もいらっしゃいます。
3回病歴要約を修正して、何症例かリジェクトされて完全に別症例で書き直したという方も近場にいらっしゃったので、それは居た堪れない気持ちになりました。

幸い自分の方は本当に優しく1回の修正で済んだのでその点では運が良かったです。
これが嫌なのは最後の最後、専攻医3年目で病歴要約を提出するまで自分の査読者が誰か分からないことです。

第三の運要素は医局人事です。
あっ自分は単施設のプログラムなんでっていう専攻医の先生は黙って下さい。
多くの内科のプログラムは大学の医局が持っていることがほとんどなので、その場合医局人事が大きく関わってきます。
J-Oslerの事だけ考えれば、専攻医1、2年目は忙しい病院で症例を集めて、3年目に緩い病院で仕上げるというのが一番いいのかなと思います。
まあ一番はコツコツやっていく事だとか言う奴もいますが、そんな奴はそもそもJ-Oslerなんかに悩んでいません。

ついでに基幹病院で1年間研修しなければならないという規定もあるため、3年間のうちに基幹病院に戻してもらう必要があります。
そのため大学のプログラムに関して言えば専攻医1年目はみんな大学というところも増えているのではないでしょうか。

以上がガチャ要素が強いと感じる所以です。

まとめ
3大ガチャ要素
・指導医 
・査読者 
・医局人事

2. 期間が長い、やることが多い

これは本当にそのままなのですが、
この内科専門医制度ができる前までは内科認定医という資格がありました。
この内科認定医は専攻医2年目で受験可能で、病歴要約のみで大丈夫でした。

それが内科専門医では専攻医4年目でしか受験できず、メインの症例登録、病歴要約に加えて、JMECC学会発表院内講習等の研修歴を写真で提出しなくてはなりません。
正直普通に研修してればJMECC以外はなんとでもなるのですが、専攻医3年目までこういった記録をちゃんと管理しておかないといけないのは地味にストレスだったりします。

その上で今後内科専門医の価値がどうなるかは分かりませんが、正直サブスペまでのちっちゃなハードルの一つとしか見られていない気がして費用対効果が合ってない1番の専門医な気がします。

例えば、救急科、麻酔科、整形外科、産婦人科や小児科、眼科、耳鼻科など挙げてしまえば、内科と外科以外の科は1段目を取れば一旦一人前ですが、内科や外科の場合その専門医だけ取って終わる人は実際少数だと思います。
その点も内科と外科が減っている一因になっている気はします。

話がそれましたが、

まとめると長くてやることが多い割に、サブスペを取るための入場券にしか結局なっていないことがしんどいのかなと思いました。

3. 選択肢が限られる

これは主に研修医の時の話ですが、
J-Oslerは絶対的に研修医の症例が大事なので、
例え必要な症例をピックアップしてまとめて持ち出していても、研修病院に何度か行き来することがあると思います。
そのため、研修医の時勤めた病院が専攻医として働いている病院に近い方が絶対に有利です。
要は研修医から専攻医を通してずっと同じ県、
同じ病院で働き続けた方がJ-Osler的には有利ということです。


それゆえに研修医の時に所属する内科プログラムを選ぶ際、
本当は違う県の内科プログラムが良くても研修している県のプログラムを選びがちです。

まあそもそも研修医として選んだ段階でその県で働くことはある程度考えていると思うのですが、
医局選びは人生選びなので、研修医で働くうちにその医局に違和感があっても、
そこ以外に県内で選択肢がなければ間違う可能性も出てきます。

医局によっては複数の県に渡って派遣先があるため、そういった医局が近年避けられがちなのも
普通の流れなのかなとも思います。

まとめ
・研修医の時からJ-Oslerを意識しないといけないのがしんどい。

以上3点が自分が思ったJ-Oslerがしんどい理由ですがいかがだったでしょうか。

ここまで散々言っておいてなんですが、症例登録や病歴要約自体はちゃんとやれば勉強になる制度なのかなとは思いました。
自分は割と周りの環境や医局に恵まれているので何だかんだ内科はいいなあと思うのですが、一般的には他の科に人が流れていくのも納得な気もします。

あくまでこれは日記的な個人の感想なので、
そういう意見もあるんだな的な感じで読んでもらえるとありがたいです。
このノートを見つけていただきありがとうございます。

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