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外歩きサポート時の困惑・・・

全盲の整体師、高野をサポートしているささきです。
以前に「盲目整体師のサポートに最も必要なこと」というタイトルで
視覚障がい者のサポートでは「すべてを言語化」が必要、ということを
書いたのですが・・・。

「言語化」することって時と場合によるよなあ・・・と思うことが
時々起こります。

特に外を歩いているときに!

外出時、高野は白杖を持ち、私の右腕につかまって歩きます。
歩きながら私は、
「段差があるよ」「横断歩道を渡ります」「右に曲がります」など
声に出して説明
していきます。

あるとき、
人が二人やっと歩ける程度の狭い歩道を歩いていました。
てくてく、てくてく・・・・普通に歩いていきます。
隣は車道です。
私たちの前にも、人が歩いています。
順調に歩いていたのですが、
私はあるところで立ち止まらざるを得ませんでした。。

なぜなら、前を歩いていたおじいさんが、
突然立ち止まり、

空をぽかんと見上げはじめたからです!!
狭い歩道の真ん中で!!
おじいさんは空を見上げたまま、動く気配がありません。

高野は「???」「どうしたの??」と当然聞きますが、、
(質問攻めに近い)

説明するには、車の音に負けないぐらいの
大きい声を出さなければなりません。

おじいさんに聞こえるぐらいの距離だし、
古館伊知郎ばりに
「あ、、おじいさんが立ち止まった~!なぜか空を見上げ始めた~!!
空に何か見つけたのか~!?」
みたいな実況中継をするわけにはいきません。
それをするのは失礼すぎる・・・

かと言って
おじいさんに声をかける感じでもないのです。。
ただ空を見上げているだけで、具合が悪そうでもなく、、
「通りまーす」と言ってどいてもらうとしたら、、
おじいさんを車道に突き落とすことになってしまう・・・

仕方がないので、車の通りが止まるのを待って、
車道に少し降り、おじいさんを迂回して
進んでいくことにしました。

視覚障がい者の方は
無言で手を引っ張られたりするのはこわいと
高野から聞いているので、
詳細を説明したいところなのですが、
いかんせん、このような状況だったので、
状況を把握していない高野の袖を引っ張り、
おじいさんの横を通り、
「こっちへ」と最低限の言葉で移動したのでした・・・。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

また、「言葉に出すこと」が身の危険につながるのでは!?
思ったことも・・・。

当時高野は広島駅近くのマンションに住んでおり、
用事が済んだら夜になったので、
送っていこうと歩いていました。

歩道を歩いていると、
前方からたばこの香りが漂ってきました。。
すると高野が「たばこのにおいがする・・・」と言ったのです!
私はそれが前を歩いている方に聞こえるのではないかと、
ヒヤヒヤしました。

なぜなら、前を歩いていた方は
ガタイが良く、腕が太く、派手な柄のシャツを着ていて
薄く色が入ったサングラス🕶をかけた
・・・強そうな方だったからです・・・!?

そこが路上喫煙禁止の場所かどうかは、
ちょっとわからなかったのですが、、
その方が、高野の「たばこのにおいがする・・・」という言葉に
歩きたばこをとがめられたと思い、
「ゴルァ!!」と怒りだし、攻撃してきたら
私にはなすすべがありません!

私は無言で立ち止まり、前の方と距離をとることにしました。
高野はまた「???」「どうしたの??」の質問攻めですが、
前の人を刺激するといけないから、下手にしゃべれない・・・!

歩きたばこのあんちゃんが道を曲がって
背中が見えなくなってからやっと
高野に説明したのでした。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

私が気にしすぎなのでしょうか!?
私はちゃんとガイドの勉強をしたことがないので、
視覚障がい者のガイド力が未熟であると言えば
それまでなのかもしれませんが、

もし、ガイドの勉強をしていたとしても、
外歩き時の困惑は続くかもしれません。

なぜなら高野にとっては
私はほぼ身内なので、遠慮がなく、
いつでも、
早朝でも夜でも
豪雨でも、出かけたいときに
出かけたい場所へどこへでも
出かけることになります。

それだけ、いろいろなシチュエーションに
遭遇してしまう確率は高いのです。

声に出して説明できない状況に陥ることは
今後もあるかもしれませんが、
今回、この文章を書くにあたり、
高野に聞いてみたところ、
「歩きたばこあんちゃん事件」は
覚えていたので、、
私が無言になったら・・・!?ということは
わかってくれそうです。



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