盲目整体師との食事は時間がかかります
全盲の整体師高野をサポートしているささきです。
私は視覚障がい者のガイドについて勉強したことはありません。
日々の生活の中で、高野から教えてもらったり、気づいて工夫したりしながら生活しています。
みなさん、外食はお好きですか?
自分では作れないものが食べられたり、
知らなかった料理を知ったりするのは
とても楽しいですよね。
私も食べることは好きなのですが・・・・
なかなか注文にたどりつかない・・・
数年前、高野をサポートし始めた頃のことです。
その頃、開業準備のために場所探しをしていました。
普段、通ることのない道を通り、用事も済み、
遅くなったので、晩御飯を食べようと
ちょうど通りがかった路地裏の
雰囲気の良いパスタのお店に入りました。
そのお店には
小さいアルバムのような
かわいいメニューブックがありました。
注文をするのですが、、
当然のことながら、高野にはメニューが見えません。
パスタを選ぶために、
私はとりあえず、メニューを読み上げていきました。
・・・が!
終わらないのです、メニューが。
すべて1000円前後のパスタだったと思うのですが
ファミレスにあるような「ナポリタン」とか
「ミートスパゲティ」というのではなく、
路地裏のかわいいお店だけあって、
マスターのこだわりの
「トマトときのこの~パスタ」
「ブロッコリーと●●の~パスタ」
「サーモンと~のクリームパスタ」・・・といった
ちょっと名前の長い、小洒落たメニューが並んでいました。
何ページも何ページもあり、
「これはいつ終わるんだ・・・」と思いながら、
一行も飛ばすことなく、私は読み上げていきました。
体感としては100ぐらいはあるんじゃないか、という感覚でした。
(いや本当に100あったかはわかりませんが)
ところが、メニューの8~9割ぐらい読み上げ、
もうすぐ読み終わる!とほっとしかけていた私に
高野が「最初のほうの~パスタって何だった??」と無邪気に言い
またそのページに戻ることになったのです・・・。
私ががっくり来たことは言うまでもありません。
しかし考えてみれば
全部読まなくても良かったのです。
先に高野に好みを聞けばよかったのです。
無謀な全読みなどせずに。
そのとき
何のパスタを注文したかは忘れてしまいましたが、
メニューを読み続けて疲れた私は
パスタと合わせて
ジントニックを頼んだのでした・・・
今では私も注文の仕方を工夫し、
パスタの場合は
オイルか、和風か、クリームかなど
まずカテゴリー別に聞くことにしています。
世の中の楽しいことは
視覚優位のものが多くて
(映画やテレビ、ゲーム、きれいな景色を見たりなど)
視覚が0の高野にとっては
食事はとても楽しみなものではないかと
私は思っています。
そして自分の好きなものを
選択する喜びがあるといいなと思います。
最近は時短の新たな技も覚えました。
「本日のおすすめメニュー」があるところはたいへんありがたいです。
(シェフや大将のオススメ、もうこれは間違いない)
「食」については日常のことだけに
たくさんの発見があります。
また書いていきますね!
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