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どうする家康24話を古美門研介が見たらどう思うか。

昨日の「どうする家康」24話の愚痴を書かせてください!ヘッポコ創作者としての自分を棚に上げて言わせてくれ!
古沢良太、お前どうしちゃったんだよ!!!
オレは高校生の時に見たあんたのリーガルハイ、というか古美門研介が大好きだったんだよ!
理想や同情ばかりの黛を「朝ドラのヒロインみたいに甘っちょろいやつだ」と一笑に付し、金の亡者で小物臭い。だけど戦うことの意味を誰よりも理解している男が古美門研介だった。フワフワした理想や優しい言葉なんて役に立たないとばかりに、敵味方問わず徹底的に現実を直視させる。現実を直視するのは痛いし苦しいし傷つくけどそれが戦うということなんだ。人間には時に半径数メートルの仮初の平和を捨てて奮い立たなければいけない場面がある。尊厳を守り意気地を見せつけるために傷つくこと覚悟で挑まなければいけないのが戦いなんだと。
古美門が南モンブラン市の老人たちを奮い立たせるシーンが大好きだった。現実を直視したものだけが現実を前に推し進められるんだと。

で、今回の「どうする家康」24話は、リーガルハイで例えると…
黛「やっぱり男の弁護士は粗暴でダメです。こうこうこうすれば日本の司法はもっと良くなると思うんですが皆さんどうでしょうか」
三木弁護士「こんな斬新な改革案思いつきもしなかった!黛先生は天才だ!」
裁判官たち「採用!みんな黛先生の言うことに従いましょう!」
古美門「ふん、少しはマシになったようだなガニ股女。お前は天才だ。お前に全て任せる。」
こうして黛先生のおかげで日本の司法界に平和が訪れました。
ってくらい薄ら寒いです…!そんなうまくいくわけねえだろ!


実際の「どうする家康」ではどんな感じかと言うと、家康の奥さんの瀬名(実務経験なし)が、数ヶ月書物や識者との話から勉強した結果「戦の代わりに貿易で繋がりましょう!」という結論に至り、名だたる武将たちがそれに賛同し信長の目を盗んで同盟関係を結ぶと言うもの。考え方は立派ですが、瀬名の提案は前述した「フワフワした理想」です。達成するための手段を問われても「慈愛」とか「強い国同士で戦は起こらない」とか、甘い綿菓子のような答えしか返ってきません。

でもここまで(瀬名のアイデア)はそれほど不自然じゃないんです(少なくとも歴オタじゃない自分から見れば)。戦や政に巻き込まれている瀬名が、こういう理想を持つことはあると思うし、戦国の世だとしても平和を望む者は多かったはずです。
じゃあなぜこんなにもモヤるのか、問題は周りの反応だと思うのです。
いわゆる「ツッコミ不在」なんです。こんなにも百戦錬磨な武将たちが、瀬名の提案に対して「素晴らしい計画だ!成功するに違いない!」と拍手喝采。

誰だって小さい頃は「戦争なんて簡単にやめれるでしょ。なんでやめないの?」と思うはずです。でも大人になるに連れて、どうやら世界はそんなに単純に出来てないらしいことを知ることになります。それでも、単純じゃない殺伐とした世界を直視して、一歩一歩平和への楔を打ち続けるというのが大事だと思うし、僕の好きな大河とはそういう物でした。源二郎も、十兵衛も、栄一も、小四郎も、現実に打ちのめされながらも前を向こうとする姿に僕は胸を震わされたんです。
でも、今回の話では主要人物が悉く現実から目を逸らしています。織田という現実から目を逸らし、問題を先送りにし、結果として次回で瀬名と信康は誅殺されるのでしょう。
「誰もが小さい頃に抱く夢想」をそのまま掲げて、周りがそれを手放しで賞賛し、担ぎ上げることの危険性を世に問うているのなら成功でしょうが、脚本にそこまでの意図があるとは残念ながら思えません。果たして戦国武将たちはそんなに浅慮だったのでしょうか?

理想を持つことは(冷笑しつつ)否定せず、傷つきながらも現実を直視することの大切さを教えてくれたリーガルハイ。
その魂がもう一度見られると思って「どうする家康」を視聴してきましたが、24話にして致命傷を負わされた気分です。
と言うことで、僕の「どうする家康」24話への最終的なラベリングは「古美門がいないリーガルハイ」です。理想ばかり先行してブレーキ役がいない。視聴者の声を誰も代弁してくれない。
理想と現実の絶妙な対比で成り立っていた神ドラマだったなあリーガルハイ。
築山の集会に古美門研介が颯爽と現れ「朝ドラの主人公みたいな甘っちょろいやつらだ」って叫ぶ絵でも描こうかしら。
長文失礼しました。

長々と愚痴ってしまいましたが「リーガルハイ」は今も大好きですし、「どうする家康」も1話完結のポップな大河として今まで何だかんだ楽しんできました。ただ、姉川・三方原・長篠と期待していたイベントが悉く肩透かしに終わり、家康は仲間のことなど忘れなんか変なこと言う女に誑かされ、挙げ句の果てに瀬名が教祖になって周りのIQ爆下がり。だんだん疲れてきたので暫く離れようと思います。秀吉も光秀も解釈違いだし。

ここまで来たら「タイムスリップした古美門が徳川方を弁護して誅殺を免れる」ってくらいぶっ飛んだ展開でいんじゃね?

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