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統合失調症の治療のゴール

こんにちは。都市型地域医療研究所の小原です。
今日は芳賀先生に統合失調症の治療のゴールについてきいていきたいと思います。

統合失調症は体質によって起きる疾患です。体質が100%ではなく、体質プラス育ってきた環境のストレスを要素にして発症します。

芳賀先生が考える統合失調症の治療のゴールは
「症状がなくなって本来できていた生活ができるようになること」

薬飲まなくていい状態を目指す患者さんもいます。しかし、これは現実的ではないゴールとなり、心苦しくなってくると本人も周りも辛くなってきます。
薬は飲んでいても体質は変わりません。(体質自体は年をとっても時間が経っても変わらないです)

こんな状態を目指しています!

体質は変わっていない、薬は飲んでいる状態だけど、、、
・症状に悩まされることがない
・やりたかったことが制限されることがない

統合失調症は神経細胞の接合部から出るドパミンが出すぎている状態です。ドパミンの量を調整しながら治療をしていきます。
ここで重要なのがドパミンが出すぎている状態は患者さんにとっては不快な状態ではないです。統合失調症の治療にてドバミンの量を減らす際に患者さんにとっては不快、身体がだるくなるや頭が動かなくなるといった状態になることが多くあります。その結果、薬を飲みたがらなくなってしまう患者さんも多くいます。

陽性症状(幻覚や妄想がひどくなること)が強いときの受診が多く、その治療には多めの抗精神病薬が必要となります。抗精神病薬は主にドパミンを抑える薬を言い、ドパミンが出すぎているためドパミンを抑える薬を飲んでいきます。これは理にかなっているようです。しかし、ドパミンが出ているレベルにも波がありますが、毎日飲んでいる薬の量が同じです。ドパミンが出すぎているときはしっかり抑えられますが、あまりドパミンが出ていない時も同じ量の向精神病薬を飲みますのでドパミンが出てない時も抑えられてしまう状態なため、不快なときもあります。
ドパミンの量によって薬の量は調整できないのと思いますが、ドパミンは体温や血圧のように毎日簡単に測れるものではありません。抗精神病薬を飲む場合は同じ量を飲まなければいけないため、不快な日もあるということになってきます。

お薬の調整は主治医と相談しながら行って下さい。陽性症状が落ち着くとお薬の量もへります。また生活リズムも整えていきます。
落ち着いてくると、お薬の量が減ったり受診回数を減らすこともできます。
これが芳賀先生が考える治療のゴールとなります。



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