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厩舎力を語る2025


<厩舎力とは>

あけましておめでとうございます。新年一発目の記事のテーマは「厩舎力」。昨日ふとつぶやいた「厩舎力で振り返る2024年のGⅠは面白そう」の言葉。たくさんのいいねをいただきましたので、御礼の気持ちと共にコース資料作りの合間に記事にしてみました。厩舎力と言えば、X(旧Twitter)で大きな反響をいただいた私の予想ファクター。最初に注目したのは地方競馬をしていた時、とにかく「地方は厩舎」と言われていました。中央よりもレーススパンが短く、同一コースで試行される地方競馬はよりバックボーンが重要になります。その考えを中央競馬に当てはめるのはどうかと、これがきっかけでした。

地方同様、中央も同じ厩舎がリーディング上位に名を連ね、しかも、大きな変動なし。一方で、地方と違い、中央競馬はコースのバリエーションが多く、上位厩舎をベタ買いしてもうまくはいかないということも肌で感じました。そこでふと思ったのは「コースによって傾向があるのではないか」ということでした。それを「コース特性資料」に落とし込んだのが4年前の「コース特性資料2020」でした。

厩舎力はどういう条件でより威力を発揮するのか、それについては先々月、テルさんの予想トレセンで話させてもらいましたが、簡潔にまとめると、「JRAを牛耳っている社台系生産馬の得意舞台でより輝く」ということ。当然ながら、それは賞金が高く、GⅠの中でも「格」のあるレース。ちなみに「厩舎力」は年に3回改訂を行っており、第Ⅰ期は1~4月、第Ⅱ期は5~8月、第Ⅲ期は9~12月となっています。同じ馬でも、評価が変わっているのは改訂により、所属厩舎がランクアップまたはダウンしているためです。では実際、2024年のGⅠ全24レースはどうだったのか。レース前にブログにアップした厩舎力一覧の画像と共に見ていくことにしましょう。

<厩舎力の表記>

S評価 ◎ ピンク
A評価 ○ オレンジ
B評価 ▲ 青緑
C評価 ☆ 黄色
D評価 △ 青
E評価 × 灰色
F評価 無 白色

第Ⅰ期

フェブラリーS

1着 ペプチドナイル(D厩舎) 
2着 ガイアフォース(A厩舎) 追分F
3着 セキフウ(C厩舎)

高松宮記念

1着 マッドクール(A厩舎) 
2着 ナムラクレア(B厩舎)
3着 ビクターザウィナー(海外)

大阪杯

1着 べラジオオペラ(A厩舎) 社台F
2着 ローシャムパーク(B厩舎) ノーザンF
3着 ルージュエヴァイユ(C厩舎) 社台F

桜花賞

1着 ステレンボッシュ(A厩舎) ノーザンF
2着 アスコリピチェーノ(C厩舎) ノーザンF
3着 ライトバック(E厩舎)

皐月賞

1着 ジャスティンミラノ(S厩舎) ノーザンF
2着 コスモキュランダ(E厩舎) 
3着 ジャンタルマンタル(S厩舎) 社台F

天皇賞春

1着 テーオーロイヤル(D厩舎)
2着 ブローザホーン(C厩舎)
3着 ディープボンド(D厩舎)

第Ⅱ期

NHKマイルC

1着 ジャンタルマンタル(S厩舎) 社台F
2着 アスコリピチェーノ(C厩舎) ノーザンF
3着 ロジリオン(D厩舎)

ヴィクトリアマイル

1着 テンハッピーローズ(C厩舎) 社台F
2着 フィアスプライド(A厩舎)
3着 マスクトディーヴァ(B厩舎) 社台F

オークス

1着 チェルヴィニア(S厩舎) ノーザンF
2着 ステレンボッシュ(A厩舎) ノーザンF

3着 ライトバック(D厩舎)

日本ダービー

1着 ダノンデサイル(C厩舎) 社台F
2着 ジャスティンミラノ(S厩舎) ノーザンF
3着 シンエンペラー(S厩舎)

安田記念

1着 ロマンティックウォリアー(海外)
2着 ナミュール(S厩舎) ノーザンF
3着 ソウルラッシュ(A厩舎)

宝塚記念

1着 ブローザホーン(B厩舎)
2着 ソールオリエンス(A厩舎) 社台F
3着 べラジオオペラ(A厩舎) 社台F

第Ⅲ期

スプリンターズS

1着 ルガル(S厩舎) 
2着 トウシンマカオ(D厩舎)
3着 ナムラクレア(B厩舎)

秋華賞

1着 チェルヴィニア(S厩舎) ノーザンF
2着 ボンドガール(A厩舎) ノーザンF
3着 ステレンボッシュ(A厩舎) ノーザンF

菊花賞

1着 アンバーシック(C厩舎) ノーザンF
2着 ヘデントール(S厩舎) ノーザンF
3着 アドマイヤテラ(S厩舎) ノーザンF

天皇賞秋

1着 ドウデュース(S厩舎) ノーザンF
2着 タスティエーラ(A厩舎) ノーザンF

3着 ホオウビスケッツ(D厩舎)

エリザベス女王杯

1着 スタニングローズ(S厩舎) ノーザンF
2着 ラヴェル(S厩舎) ノーザンF
3着 ホールネス(A厩舎)

マイルCS

1着 ソウルラッシュ(A厩舎) 
2着 エルトンバローズ(S厩舎) 

3着 ウインマーベル(D厩舎)

ジャパンカップ

1着 ドウデュース(S厩舎) ノーザンF
2着 シンエンペラー(S厩舎) 

2着 ドゥレッツァ(C厩舎) ノーザンF

チャンピオンズC

1着 レモンポップ(A厩舎)
2着 ウィルソンテソーロ(D厩舎)
3着 ドゥラエレーデ(A厩舎) ノーザンF

阪神JF

1着 アルマヴェローチェ(A厩舎) ノーザンF
2着 ビップデイジー(C厩舎) ノーザンF
3着 テリオスララ(D厩舎) ノーザンF

朝日杯FS

1着 アドマイヤズーム(S厩舎) 社台F
2着 ミュージアムマイル(C厩舎) ノーザンF
3着 ランスオブカオス(C厩舎)

有馬記念

1着 レガレイラ(S厩舎) ノーザンF
2着 シャフリヤール(A厩舎) ノーザンF

3着 ダノンデサイル(B厩舎) 社台F

ホープフルS

1着 クロワデュノール(C厩舎) ノーザンF
2着 ジョバンニ(S厩舎)
3着 ファウストラーゼン(C厩舎)

<全24レース(厩舎力成績)>

S厩舎(10-7-3)
A厩舎(6‐7‐5)
B厩舎(1‐2‐3)
C厩舎(4‐6‐4)
D厩舎(2‐2‐6)
E厩舎(0‐1‐1)
F厩舎(0‐0‐0)
海外(1‐0‐1)

<生産牧場別>

ノーザンF(11‐14‐4)
社台F(5‐1‐5)
追分F(0‐1‐0)
非社台系(8‐9‐14)

社台系(16‐16‐9)
非社台系(8‐9‐14)

3レースに1レースは社台系生産馬が勝利し、そのうちほぼ半数はノーザンF生産馬。ロマンチックウォリアー(安田記念1着)、ビクターザウィナー(高松宮記念3着)の海外勢を踏まえると、非社台系で勝負出来ているカテゴリーは「短距離」「長距離」「ダート」の三つ。結局、今年も桜花賞、皐月賞、オークス、ダービー、秋華賞、菊花賞のクラシック6競走はすべて社台系が勝ち、さらに高賞金のジャパンカップ(5億円)、有馬記念(5億円)はノーザンF&S厩舎のゴールデンコンビが制する結果となりました。

厩舎力で見ると、S&A厩舎で16勝の固め打ち。マイル戦線はソウルラッシュが活躍すれども、そこはしっかりA厩舎。高松宮記念勝ち馬マッドクールはA厩舎、スプリンターズS勝ち馬ルガルはS厩舎と、短距離戦もカバーしていました。むしろ、今年はC&D厩舎が奮起した一年とも言えます。ただし、前述のクラシックおよび高賞金レースで見ると、上位厩舎がズラリ。そこを目標に馬作りをしているのがしっかりと結果に表れており、これまでの傾向と何ら変わらずでもありました。ちなみに2025年の厩舎力改訂ではS評価は7厩舎、A評価は8厩舎。全体の1割程度のたった15厩舎で回していくのでは、と見ています。

今回は「厩舎力」の視点から2024年のGⅠ成績を見ていきました。先にも書きましたが、毎年、1月、5月、9月の3回改訂を加えていまして、その都度、S~F厩舎の見直しを行っています。2025年版はホープフルS終了後に作成に取りかかりまして、芝&ダートとも無事完成。一応、来週、期間限定で販売する「コース特性資料2025」の特典として付ける予定です。なお、厩舎力については購入いただかなくても、毎週の重賞予想の際にブログで無料公開していきますので、それを見てもらえたらと思います。是非、近パ指数だけではなく、厩舎力にも注目していただけると嬉しいです!

それでは今日はこの辺で。今年もどうぞよろしくお願いします!

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