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やさしさに救われて
根っからの末っ子体質と夫に言われる。
末っ子と言っても2人兄妹の下の子。
しかし夫からはそう言われる。
自分で言うのも変かも知れないけれど、確かに「辛い」「厳しい」「もうダメかも」と思ったところで、誰かに助けられて支えられて生活してきた自覚はある。
戦時中に子ども時代を過ごしていた祖父母からすると、弱々のメンタルですが…
なんかもう、本当に私の身近にいる人はいい人しかいないんじゃないかって錯覚するくらい人に恵まれてきた。
もちろん、そういう人だけでは無くて苦労していた時期もある。
けれど、全体を見渡せば、要所要所ではいい人しかいなかったと思う。
そうそう、
「優しさに救われて」今の私は生きているわけですが、とりわけ救われたと思った高校時代の話。
高校生の時、予備校の夏期講習へ向かうため、
お気に入りのオレンジ色のグラデーションのロングスカートを履いて、自転車に乗って意気揚々と出発した私。
半分ほど行った歩道で、突然自転車が動かなくなる。
「…え?何が起こったの」と思ったら、スカートの裾が後輪部分ギアのあたりに食い込んでいた。
驚くほど固く食い込んでいて、びくともしなく、自転車に跨ったまま動けないような私。
そこへ、出かけようとしていたお母さんと3歳くらいの女の子がマンションの階段から降りて来て私を見つけた。
見ず知らずの私が困っているのに気づいたお母さんは
「大丈夫ですか?今ハサミ持って来ますね」と言って女の子を連れて足早にマンションに戻ってハサミをとって来てくれた。
「スカート可愛いのに切っちゃうけどいいですか?」と手際よく食い込んだ部分のスカートを切り、動けるようにしてくれた。
お礼がしたいのでと何度お名前を伺っても教えてくださらなかった。
お母さんは娘さんの手を引いて
「暑いし気をつけてね」と言ってささっとお出かけに行ってしまった。
私の嘘のような本当のポンコツエピソードだけど、本当に「やさしさにに救われて」心からありがたかったエピソード。
こんな人に私はなりたい。
困っている人を見過ごさない。私の仕事には通ずる大切なことだなぁ。