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【やる夫スレ】コマ割りについて考える
縦スクロールとコマの表示順に着目して、やる夫スレの演出方法について考察してきたが、今回は具体的なコマ割りについて考えてみようと思う。
やる夫スレのコマ割りと聞いて、どのような物が思い浮かぶだろうか。
何作か読んできた読者であれば以下のようなキャラが左右に割り振られて会話する形式を想像するだろう。
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これはやる夫スレという表現媒体が世に出てから現在に至るまで一番多くのスレで採用されているテンプレ的なコマ割りだ。
実際のスレでは上下に名前欄や読者からの合いの手が入るので、それがコマとコマを分ける区切り線のような役割を果たしている。
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これはこれでシンプルで読みやすい。
だが、どこか単調な感じもする。
このコマ割りが向いているのは日常系の激しい動きのない話や、4コマ漫画のようなコマの形が定型でテキパキと話が進むタイプだろう。
ではここに一工夫加えてみよう。
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やる夫とやらない夫の間に区切り線を追加してみた。
今までは名前欄で区切られていた「やる夫・やらない夫」の1ペアが1つのコマになっていたのが、「やる夫」「やらない夫」とそれぞれ別々のコマに分けられたのが分かると思う。
この1本の太線がコマ割りの境界線になったのだ。
この区切り線の効果について具体的に考えてみよう。
最初のクラシックスタイルに立ち戻ってみる。
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ここで読者諸君は、やる夫とやらない夫の距離感がどのくらいあるように感じただろうか。
2人の立ち位置が描写の通りだとしたら、こんな感じの距離感を想像したのではないだろうか。
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そう、この距離はポケモンバトルの間合いだ。
間にイワークとピカチュウを戦わせるにはちょうどいいが、雑談をするには少し離れている。
これはやるやらが同じコマに入ってしまっているせいで、遠近感がおかしくなってしまったせいだ。
そういうものとして割り切って読めば気にならないが、個人的には少々気になる。
では、遠近感を気にして再配置してみたらどうか。
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これなら距離感に違和感はない。
しかし、シンプルで読みやすかったクラシックスタイルの良さがやや損なわれている。
ここで先程の区切り線を入れてみよう。
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前のコマにキャラの立ち位置を示してから、区切り線を使うことで、読者は自然と2人の立ち位置を脳内で補完できるようになったのではないだろうか。
これは区切り線で区切られたコマがそれぞれ別のカメラの映像のように機能しているからだ。
区切り線がなければクラシックスタイルと何ら変わりないのに、線一本引くだけで2人を映すカメラの台数が1台から2台に増えたのである。
これがコマ割りの効果だ。
さらにコマの形を工夫することで画面に変化を出すこともできる。
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これは戦闘シーンなどで勢いのある場面を描くときに重宝する。
コマの形による演出技法については語りだすと長くなるので別の記事で紹介しようと思う。
このように簡単な工夫でやる夫スレの表現の幅は広がっていく。
そろそろ長くなってきたので、この記事は一旦終わりにする。
また研究が進んだらお会いしよう。
前回の研究はこちら。