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はじめまして・中途難聴なnote

日本語が母語の中途難失聴者は、
程度はあれど、しゃべれるけれど
聞き取れない。
まだ聞こえていた頃のように声で
コミュを取ろうと必死に話すも、
たくさん話せば話すほど
相手はソレを忘れてしまう。
忘れてしまうと
お互い同じ理解度で話していると
思い込み普通に話し続ける。
なのでまた、聞き取れないことを
謝罪と共に言わなければならない。
家族や親しい友でさえ
日々この繰り返しだ。

聞こえていた頃の経験から
それは健聴者にとってごく自然で
仕方のないことだと知っているし、
もしいま自分が相手だったら
きっと同じだったとも思う。

でも改善のない繰り返しは
とても疲れる。
ほんの少しのヒントで会話の先を
予測しながら話す頭の中は
常に緊張していてチリリと痛い。

自分の声さえ聞こえ難くなると、
どんな声でどんな音量で
どんな抑揚で話せているのかが
確認できず、自信が無くなり、
こんなに辛いのなら
もういっそ声で、言葉で話すのは
やめてしまおうと思い至る。

そして試しにしゃべらなくなると、
見えないから必要だった
全ての説明が不要になり、
文字起こしアプリなどの
面倒はあるものの
静かで、平和で、
こころ安らかな日々になった。

けれど同時に、人と話す
おしゃべりをするという
楽しみを手放したせいで、
段々こもりびとになりつつある。

とても平和だけど
かなり淋しい。




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