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コレクティブと市民参加型社会

Re:Publicが創刊した雑誌Moment。6月1日に発売されて、販売書店が限られる中、下北沢の本屋B&Bに購入しに行った。不思議な雰囲気の本屋さんの入り口付近に平積みにされ、一冊ずつ丁寧にビニール掛けされている雑誌を見た時に、場所の効果が事前にRe:Public田村さんから話を聞いていたからか、手に入ったという感覚に胸が高鳴りました。


「特集-able City」は、全般的に読み応えがあってどれも考えさせられる内容だったのだけれども、「トップダウンでもボトムアップでもなく、その中間に位置する市民と多様な機関によるコレクティブ(共同体)が、まちの変革を促す」というオランダの事例が目を引いた。まさにデンマークの市民参加型社会で感じていたことをうまく言葉にしてくれている気がしたからに他ならない。
よく「欧米」と括られることの多い、欧州と米国だけれども、そして両地域ともに参考になる点はたくさんあるけれども、本質的に違う点があって、私は、目指すべきは欧州型だと思っている。そんな漠然とした感覚を、「特集-able City」は言葉で明らかにしてくれている。

ボトムアップの市民参加が根付き、政府や大企業との対立構造で進められることの多い市民参加型社会と、政府や自治体などと協力してそこに住む住民市民が一緒になって街をよくしていこうとする市民参加型社会。どちらが持続可能性が高いかと考えると明白だろう。

冒頭で田村さんが言っているように、大型の都市開発、都市レベルのサービスプラットフォーム化が世界のあちこちで進んでいる。結局推し進めるアルファベットとかの産業の一人勝ちで、住んでいる人も地域の産業もおこぼれに預かるだけ。で、利益の大半は全く地域と関係のない場所に落ちていく。市民参加の服を着ていても、地域創生の呼び声高く大プロジェクトが繰り広げられていても、そこで見られるのは一方的な消費型社会で、結局は地域の血となり肉となるということがない。そんな、開発に加担するのはもうやめよう、という悲痛な叫びが全編を通して聞こえてくる。

世界的な大企業に逆らうのは難しくても、それにNOと言って小さなところからやっていくしかない。そんなことを考えていた矢先、そんな小さな取り組みは、身近でも起こっていたことを知る。たまたま、この雑誌を読みながら旧友とのランチに向かって友人にこのMomentを語ったところ、旧友が教えてくれたシェアキッチンOkatte(解説)と水戸のM-Workの事例。自分は何ができるだろうか、身近なコミュニティで身近な課題から取り組んでみたいと思った。

Re:Publicが創刊した雑誌Moment。地方創生に関心がある人、イノベーションとか考えている人、毎日の生活をもうちょっと良くしたいと思っている人、大手企業で都市開発に取り組んでいる人、日本をもっとよくできるんじゃないかと思っている人。めちゃくちゃおすすめです。(再会記念写真を雑誌Moment中心で取ろうという話になぜかなった)


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