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それが気になる。

 だいぶ前に、栃木県の益子陶器市に友達数人と行ったことがある。陶器市、と言ってもそれ以外の出店も数多くあり、とある一角に数軒のお店が集まっていた。そこに立ち寄った時のことである△

細かい前後の話は忘れてしまっているが、記憶はそのお店の人たちと、会話をしているところから始まっている。その時になぜか、突然友達の一人がウソを言った。「彼女は今度東京で、歌手デビューすることが決まっているんです」△

彼女とは私のことで突然のウソに「何を言ってるのか?」 と思ったが二の句を継げずにいたので否定をしなかった。私がその時驚いていたのは、そこにいた友達以外の人たちから発せられたと思われる、何と表現したら良いのだろう「はっ」と息を呑んだような「気」を感じ取ったからである△

覚えている限りでのことではあるが、人から発せられたと思われる「気」のようなものを感じ取ったと思ったことを、生まれて初めて経験したのはこの時だったように思う。でもこの時はこの「はっ」の正体は分からなかった。不思議だ、と思ったので強く印象に残ったらしく長い間覚えていた。その後でそれは人間の「気」らしいと学んだ△

余談だがその時に思ったことは他にもある。人は芸能界の話に強い反応を示すものなのだ。お店の人たちはそのウソを信じたらしく、その発言の後から私を見る目が変わったように思った△

友達が何故そんなウソを突然言ったのか。訊いたかもしれないがそれは忘れた。

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これより上は、天声人語のルール(603字/6段落)に沿って書いてみる、に勝手にただ今挑戦しています。お読み下さり、ありがとうございました^^!

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