レベルとお金は比例しない?アマチュアリーグをカテゴライズ。#ヨーロッパ下部リーグのリアル
前回は主に日本とヨーロッパのサッカーリーグ事情を比較しました。
チーム数の違いなどヨーロッパのサッカー環境が日本よりはるかに整っていることが分かったはずです。
さらにプロリーグ・アマチュアリーグという話しもしました。
(まだ見てない人はこちらから↑)
今回はそのアマチュアリーグにスポットを当てます。
●アマチュアリーグって?
前回記事でも、アマチュア、プロの話しは少し触れたのですが、プロリーグは貰っている給料の高い低いに関係なく選手全員がサッカーで飯を食っているリーグ。
そしてアマチュアリーグにはプロ選手、セミプロ選手、アマチュア選手が混在している。そういった認識で読んでもらえたらいいです。
前回のスペインと日本のチーム数の比較をみてもらえればとても分かりやすいはずですが、とにかくヨーロッパのアマチュアリーグというのは幅が広く、一言でアマチュアリーグとくくれない。
ということでぼくの経験からチームをカテゴライズしていく。
*例)よく、契約条件として家と食事がサポートされますなどといった話があるがそれはアマチュアリーグでセミプロ選手としてやるという認識。
*ビザの問題などもありますがそれは次回以降で書いていく。
★プロリーグにはいけないか
おれは始めからプロリーグだ!という意気込みの人もいるかもしれないが、
絶対数的にアマチュアリーグからトライする選手の方が多い
読み手はどちらかというと学生サッカー部や日本ではあまり芽が出ていないけれど海外挑戦を目指す人向け
アマチュアリーグの認識がまだ曖昧である
三点を想定して今回は書いてある。
特に選手の人はプロ、アマチュアに関係なく僕の理想としては読んだ後に
今後、キャリアを考えてどこのに行きたいか
いまの自分の目標はどこにあるか
そんなことを再度考えるきっかけになればいいと思っている。
●9つにカテゴライズ
今からぼくのプレー経験のある下記のアマチュアリーグのチームを僕が独断でA~I の9つに分けていく。
まず分けるにあたっての基準を二つ設ける。
(1)選手目線・チーム目線
①経済条件
②レベル
①は簡単であなたに対してどれだけ報酬が与えられるかということ。
0なのか何かしら報酬があるのか、サッカーだけで生活できるのかできないのか。
これは目に見えるものなのでかなりわかりやすいと思う。アマチュアリーグでは全員がお金をもらっていることより一部の選手だけに報酬があることが多い。チームからあなたに対する評価といったところか。
②は少し難しい。難しいというよりチームのレベルの感じ方は個人の感覚によるところが強いので明白な判断基準をもうけれないということ。一番簡単に言うと①と反対であなたがチームに対してどういった評価をするかということ。
ちなみに…
レベルというのはただ単に技術が上手いか下手かという話しではない。どれだけチームがグループとしてどれだけ真剣に取り組んでいるか、監督やスタッフのモチベーションのレベルはどうだろうか。といったところ。
★WHY?自分の夢を効率よく追いかける
海外に渡る選手は多くはプロになりたいと本気で夢を追いかけている人であろう。
ただ楽しんでいるだけの環境でやるより、本気で上を目指しているチームに身を置きたいと思うのは当たり前だろう。
アマチュアリーグのチームによっては練習が週2だったり、いるのかいないのかわからないような監督が練習を見ているチームもある。運しだいというか同じリーグのチームでもサッカーに対する意識レベルが全くちがうといったことも多い。(次項以降で書いていくが)
もちろん選手はチームから評価してもらってはじめてチームの一員になるわけだが、プレーしていて違和感を感じたり楽しくなかったら辛い思いをするのは自分だ。
スペインの例を見ればわかりやすいが海外にはたくさんチームがある。
日本では移籍は非日常ではあるがヨーロッパでは普通。あわないならいくらでもチームはある。国によっても異なってくるが、あなたの自分の理想に近い場所、国、チームを見つけるヘルプになればいい。
(2)カテゴライズ
言葉で説明するより僕の実際の経験をこの図にはめ込んだ方がわかりやすいのでやってみる。
経済面とレベルからこんな風に分けた。
右上に行けば行くほどプロに近づくイメージだ。
数字は...
A~I を一つずつ説明してもいいが実際に僕のプレー経験をもとに実際のチームに当てはめたほうがイメージしやすいと思うのでそうする。
A.ポルトガル4部 Varzim B
トップチームがプロリーグの2部にありグラウンドは人口芝2面、天然芝1面と環境は抜群。スタッフ、選手ともに質が高かった。
練習時間も朝10時と選手もサッカー中心の生活を送っている。選手と話しているとあまりお金は出ていないようでトップに上がらないとというようなことを言っていた。
代理人はビザももらえると言っていたが、実際にプレーしている外国人選手はもらっていないと言っていたのそこらへんはかなりあいまい。それも海外のアマチュアリーグあるあるというか情報がどれも不確かことが多い。
でも、ユースの元ブラジル代表選手とかもいて、アマチュアリーグのなかではトップクラスの条件や環境ではあるので今回はAに分類。
C.フィンランド4部① VPS B
トップはフィンランド1部の強豪で数年前、ヨーロッパリーグの予選に出ているなどかなり実績がある。
Bチームは実施ユースチームといったところで多くの選手が17-19歳でとても若い。ユース代表もちらほら。
練習時間は15:30から。週2回朝7時からの練習と2部練のときも。
フィンランドはヨーロッパのサッカーシーンの中で見ると中で見ると後れを取っている感はあるが最新の人工芝のピッチ、GPSをつけての練習などBチームでもかなりレベルの高い環境の中でできる印象。さすが1部にあるチームの環境は違う。スタッフの意識もプロそのもので練習試合の終わった帰りのバスで分析をはじめていたことも。そんなの普通と思うかもしれないけれど、アマチュアリーグでこれだけやっているチームは全体でみれば多くないと思う。
大人のリーグに所属はしているが高校生などが中心ということもあるのか月謝制であったのが意外だった。(ヨーロッパでは特殊なケース、ぼくは月謝免除でもいいと言われたがビザがもらえず断念)
今シーズン4部で優勝し3部へ。あれだけのことをやっていれば当然の結果か。
D.スウェーデン5部 NYBRO
この夏にプレーしていて1ヶ月でクビを切られた苦い思い出のチーム。家と5~6万円くらいが出ていたのでサッカーだけで十分生活可能だった。
お金や家などが出ている選手は3~4人(全員外国人)で全員がプロというわけではない。練習は17時からで多くの選手は仕事や学業と両立。
レベルはめちゃくちゃ高いわけでもプロでもないが、天然芝2面のコートやアウェイゲームの時に大型のバスでみんなで試合に行ったりクラブとしてはかなりしっかりしていた。前年まで4部でそれなりに歴史のあるチームゆえか。
立地もど田舎ではあったがサッカーだけで生活できる気分は悪くないし、次のステップへのチャレンジとしては悪くない。
スウェーデンの4~6部はちょくちょく生活ができるレベルの補助がチームからあるかつ*観光ビザの延長が可能ということでサッカーだけで生活したいと思うのであればわりと現実的な国ではあると思う。
ただ、オフィシャルの契約ではないのでぼくのように理由も説明されず来週から出ていってくれと訳わからず切られるといったことも起こりうる。
*ビザのない状態。その状態でヨーロッパにいられるのはマックス90日
E.スロベニア3部
このチームで練習したのは1日だけ。その範囲で感じたことは環境もレベルもまずまず。練習開始は21時。
選手の質・意識はめちゃくちゃ高いとは言いずらいが監督が元レバークーゼンと元プロ選手でそこに魅力を感じた。
家と食事は出ると言われたがサラリーは出ないと思う。
ただビザがでないので90日で一度ヨーロッパの外にいき、戻ってきたい場合は90日以上ほかの国に滞在してからとなるので継続性もないし生活も安定しないし本当にサッカーだけというイメージ。
G. フィンランド4部②
ぼくがプレーした中で一番レベルが低いなと感じた。
条件としてはアパートと月に5万くらい。ジムとプールも無料で使えた。
まあ贅沢しなければ生活できる程度か。一人アメリカ人が同じような条件でプレーしていた。
練習時間は夕方17時半で週2回。練習というより遊びの延長といったところか。象徴的な例として2回の練習のほかに1度自主練の日が来るのだが、遊んでいるだけなのか真剣にやっているのかわからなかったのでそのアメリカ人に聞いてみると
本気でやりすぎると自主練に人が来なくなっちゃう
といっていた。そのレベルだ。条件的には生活できるしいいと思うかもしれないが、ビザも出ないしオファーは断ってしまった。
ちなみに、Cのフィンランド4部①と同じリーグのグループ。カテゴリーとチームのレベルを一様に説明できないいい例かもしれない。
H.クロアチア4部
これはEのスロベニアのケースとかなり近いがさらにレベルは下がる。
練習は夜9時から。ただ、練習というよりGのフィンランドと同じように遊びの延長と言っていいと思う。公式戦になるとかなり粗削りで肉弾戦のようになる。
試合がシーズン通してあるのが唯一の魅力か。
家と昼、夜の2食はあるが、活躍したり点を獲ったらお金が出る可能性があるというレベルでとても生活してはいけない。
ビザも出ないのでEやG のように3ヶ月がマックス。隣国にオーストリアやスロベニアがありビッグチームへの移籍の可能性があるというのがチーム側や代理人が言うメリットであるよう。
ちなみに、上のソファの写真はクロアチア滞在時のベッド(兼家)
チームプレーや戦術といったことはこのレベルだと皆無なので想像している”ヨーロッパサッカー”とはかけ離れているかもしれない。その後はホントに自分と運しだいというラックに頼るところが多い。
🔴まとめ
総合的に見るとトップがプロのセカンドチームなどは選手も若くてモチベーションが高い。金銭に関していうと国自体の経済が恵まれている北欧はチャンスだ。
そこは自分の目標に見合った国を選択すればいいと思う。今回は省いたスペインの話しだが(次号以降でじっくり書く予定)5部などでも雰囲気は最高。残念だがこの雰囲気は少しやフィンランドでは味わえないものがある。
この話題も今回は深くは触れていないがやはりどこの国も(スウェーデンを除き)ビザという大きな問題も存在する。
やはりなにごとも事前のリサーチは大事。しっかり理想を追いつつ地に足をつけてやろうと僕自身も常に考えている。
最後に個人的な話しをするとぼくはまだプロリーグでやったことがないのでいまはそこに到達するのが目標。
加えて再度同じ画像を貼るが、アルファベットの文字が赤が行きたいと思うチームで青なら声がかかっても行かないと思う。緑は迷いどころといったとこか(笑)この考え方が正しいかどうかはわからないがぼくはある程度覚悟をもってやっているつもり。
ぼくもまだまだ夢半ば。頑張ります!
ちなみに最近こんな感じであいまいなサッカーコンサルはじめたのでこのリンクも見てみてください!いろいろ面白い話しができると思います!
ではまた!
ヨーロッパでの活動資金にします。あとものすごく喜びます。笑