本当にあったサッカーエージェントの怖ーいハナシ
こんにちは。
最近代理人つけているんですか?とかどうやってチーム探ししているのですか?とちょこちょこ聞かれるようになりました。
海外の情報が今よりもっとなかったときは大手の会社一択だったかもしれませんが、今は自分でチーム探しをしたり、SNSや個人の繋がりで海を渡る選手は結構いる印象です。
また無名選手を日本から海外に送るサッカーエージェント界隈はまだまだ狭いので意外と同じような仲介人や代理人とぶつかるイメージも。
エージェントの話しはまた別でする予定ですのでタイトルにある通り本題に行きます。
選手とエージェントの問題はよく聞きますよね。
今回は半年前に僕がクロアチアに行った時にトラブルになった話しです。当時の様子をなるべくわかりやすく説明していくので少し長いですので、僕がトラブった2つの原因を先に言います。
前半の(1)-(4)で渡航までの経緯、後半で現地での様子を書いています。
海外での問題が起こるのは情報量の少なさ曖昧さが原因であることが多いと思います。
防げないハプニングもありますが防げるハプニングもあると思うので参考にしてください。
【前半】
⑴ヨーロッパにいれない!
昨年8月中ば、当時所属していたスウェーデンのチームから突然のクビを言い渡された僕はチームを探し直そうと動いていた。
ここでビザの問題が。ヨーロッパはビザがない状態だと90日以内しかいれない。6月の終わりにヨーロッパに入国していて、9月の半ばには強制的に帰国せざるおえないという状況だった。
契約すればチームからビザが出るようなチームを探せたらよかったが、8月も終わり、移籍のウィンドーギリギリのその時期にトライアウトの話はなかった。
そんな時に知り合いからクロアチアのチームが日本人を探しているという情報が。
⑵クロアチア4部
Facebook経由で連絡が知り合いからきた。
その時のFacebookの投稿。
見た感じだとクラブ側が選手を探しているので至急これる選手を探している!という内容。
1つ前には別の投稿もがあり契約条件が記載されている。
クロアチア4部はアパート、食事、勝利給とあり急募の文字も。
この投稿者に連絡してみるとすぐに返信がきて、電話をした。
話しではこんな感じ。
ただ、何より問題はビザ。その時点で滞在可能な日数が1ヶ月を切っていた僕はそれを一番に気にしていた。しかしここで耳寄りな情報が。クロアチアはシェンゲンエリアに属していなかった。
ヨーロッパにはシェンゲンエリアというパスポートを見せなくても国境を超えられるエリアがあります。しかしクロアチアはそこに属していません。つまり、90日間ビザがなくても滞在可能。
・クロアチア4部はアマチュアリーグでチームからはビザが出ないので90日のみの滞在になるがシェンゲンエリアではないので今からでも90日滞在可能。
ということが後日判明。
僕の当時の立場的にはサッカーができるチャンスだと思い前向きに話しを聞いていた。
CV(履歴書)を送り、いつでも行けます。と伝えしばし返信を待つ。
他の選手からも連絡があり、チームの会長と話しているという。
数日後にチームからの返事があり、トライアウトに行けることに。
もう一人の選手の方が東欧でのプレー経験があり、チーム側の興味は強かったみたいだが選手側が渋っていて結局僕を獲るという方向に向かったようだ。
⑶費用
具体的な数字は言わないがこの時の費用は2週間のサポートで初任給の平均月収くらい。(2食の食費とアパート代込、交通費は別)
・トライアル先がアマチュアリーグ
・契約時もビザは出ない(3ヶ月のみの滞在)
・チーム側が選手を至急探している
ということを考えると、そんなにお金とるんだと思ったがこちらも緊急だったので仕方ないかと思ったのを覚えている。
ちなみに彼ははじめはその1.5倍くらいの金額を提示してきた。高すぎたので交渉をさせてもらったが、もっと払って渡航した選手もいるとか。
チームに少しお金を払うという話しもしていた。そんなのかと、あまり触れなかったが冷静に考えるとおかしい。
はじめて電話した時に
“自分も元選手だからエグいことはしない”
と言われたのが印象的だった。
当時の心境としては日本人だし大丈夫だろうと思っていた。
⑷いざクロアチアへ
ここまでを数回の電話でやりとりしていたのだが肝心のチーム名や具体的な街の名前などはお金を払うまで教えてもらえず、首都ザグレブ近郊としか言われていなかった。現地の環境の話しを少しした時に1枚のスタジアムの画像が送られてきたがそれのみ。
過去にお金を払う前にチーム名を伝えたら、その人がその情報を横に流してトラブったという。
結局アマチュアリーグのエージェントは選手の給料の数%をもらって生活する代理人と違ってサポート費用に加え情報料や紹介料的な感じでお金をとるので、お金を払うまでチーム名が言えないというのは理解できなくない。
お金を払い、チーム名、地域などを教えてもらう。地図で見た感じは首都ザグレブからバスで2時間くらいの田舎町。
チームが早めにきて欲しいということで航空券を購入。フィンランドからだったので航空券は2万円くらい。
連絡をしてからちょうど1週間。いざクロアチアへ!
【後半】
⑸突然のスロベニア
表記方法:日本人エージェント→JP現地での面倒を見てくれるチームの会長→会長
僕が空港に着いたと同時に現地でコーディネートしてくれる会長の連絡先が送られてきた。
首都ザグレブからバスに揺られて2時間。目的地に到着。ここまでトラブルもなし。
ここから色々と話しが変わってくる。
前半に記した通り僕の認識ではクロアチア4部に行くもんだと思っていた。
しかし現地に着くなり、会長に明後日からスロベニアのチームに行くぞと言われる。
ちょい、待てーーー。ビザの問題があるんですけどーーー。
会長にビザの話しをすると知らなかったらしい。
クロアチアとスロベニアは隣国で滞在地からは車で行けば1時間もかからず国境をまたげる。しかしスロベニアは⑵で説明したシェンゲンエリアに含まれており日帰りでも行き帰りでパスポートにハンコがつく。同じくプロチームでないスロベニア3部では契約しても2週間で終了。
結局、1度練習参加して終わり。
その際、仲介したJPに連絡すると
と返信が。ここで疑問が生まれる。
僕がはじめてJPにコンタクトをしてから渡航日までは1週間あり、十分情報共有をする時間はあったと思うが1番肝心なところがされていなかった。
JPは会長やチームが僕の事情を知った上で、とりあえずプレーを見たいから勝手にそうしたというニュアンスのメッセージがきたが、現地の人と話している雰囲気は全く違かった。
スロベニアのチームの監督とは練習場まで車で乗せてもらったので色々話したが、彼は普通に獲得に前向きだったし、ビザの状況も何も知らなかった。
そもそも会長はクロアチアにトライアウト先のチームさえ用意していなかった。
⑹勝利給なし
結局、滞在不可能ということでスロベニアの話しはなくなった。
Mさんが他のクロアチアのチームを探すから待っててくれとなり、次の日にクロアチア4部の練習にいった。
練習参加までの経緯も謎でJPから
というメッセージが。結局払わずに隣町のチームへの練習参加が決まったのだが先ほどの疑問がますます怪しい。
そして1度目の練習でチームから契約の話しをもらった。
聞いてみると、勝利給はなく、家と食事という。
会長に聞いてももともとお金の話しなんかJPとしていないという。
ここで3つ目の疑問が出てきて、
とりあえず、その場でサインはせず2日間待ってくれということでチームに直接交渉。
勝利給で3000円でもいいから何かしら契約の条件が欲しいということを伝え返事を待った。
その間にJPにお金は出ないそうという旨を伝えると、
という返事が。
もっともらしい言い方をしているのだけれど、それは今ではなく行く前に言うべきこと。そして、いく前に同じような契約時の話しや現地の状況をかなり聞いたがその際には何も答えなかった。
矛盾もあり、
これって、1番最初に言うべきことではないの?
ちなみに同じ宿には日本人が他にも2人いた。(Jのユース出身と全国優勝高校出身の二人は当時会長のチームでプレーしていた。)
同じ話しをされてクロアチアに来たが給料はなく、それについてなんの返信もなかったという。
ここでまた疑問があり、
僕が現地の状況を聞いた時に都合のいいことばかりではなく、現状もいうべきではと思う。
最終的に勝利給の交渉は成立せず、僕はいろいろ考えた結果クロアチアには残らないという決断をした。
⑺海外あるあるではない
ここまで読み、海外あるあるでは?と感じた人もいるかもしれません。
確かに聞いていた話しと全く違うとか、お金が予想と違った、と言った話しはよく聞きますね。
今回の問題は少し違う気も。事前に不確かな情報を伝え、のちにあたかも伝えていたかのような言い方でいうというのはいかがなものだろうか。
広告やビジネスの世界で、いわゆる”価値の言い換え”は常識であろう。
不動産の広告で「3駅利用可」はどの駅からも中途半端な立地だろうし、実際にこうやって”ウソではない程度の言い換え”はいたるところで見る。そして犯罪でもない。
例えば、初めの「至急募集しています!」なんかはその典型だろう。何もないより至急!と書いていた方が拡散度は上がる。
しかしそれ以外の部分が、”価値の言い換え”として成り立っているかは不明だ。
オーストリア3部に行った選手がいるのも事実だが、はじめから勝利給や給料は出ないのも事実だ。
お金が最初に出ないのであれば、出ませんとはっきりいうべき。なぜなら後から彼は”活躍すれば出る可能性はあるが、はじめから出ることはない。”と言い切っているから。
さらに連絡の遅さや曖昧な現地状況の把握、選手とエージェントの間で誤解が生まれた時の対応然り、申し訳ないが自ら”元選手だからえぐいことはしない”という人とは思えない対応だった。
他の日本人選手は1週間以上連絡が来なかったらしい。僕もトライアウト中4度以上電話したが1度も出なかった。
選手側からするとある程度の額を払っている分しっかりと責任のある仕事をして欲しいと願う。
(オーストリア3部に行ったのは本当)
自己責任
こういう問題は結局選手の自己責任みたいなところもあると思います。
結果論からいえばあったこともない人を信用しお金を払った自分が悪いわけ。
だからエージェントを表立って批判したいわけではないです。他での活動を僕は知らないですし。
でも選手は情報がないゆえに高いお金を払う。だからそういった実際に海外ではどういった問題が起こるのか、リアルな経験を今回はシェアさせて頂きました。
今後海外を目指す人たちの何か参考になれば嬉しいです。
もちろんサッカーのトライアウトに保証や絶対という言葉はないのだけれど、最低限伝えるべきことがあるし、選手も知る権利があるはず。そしてどこに自分がお金を投資すべきか、しっかり判断できるはず。
エージェントにとってはたかが1人の選手かもしれないが、選手にとっては少し大げさに言えばその決断がサッカーキャリアや人生を左右するかもしれないと思います。
同じようなことが今後起こらないといいです。
ブログで失敗しないようにするには?というのを自分なりに書いたのでこちらもチェックお願いします。↓
■追記
Twitterでたくさんの意見をいただいたので紹介します。中には同じような説明をされたという人も。
さらにモンゴルでも高いトライアウト費用、現地チームへの賄賂(?)等をしているという話しも。(ツイートは消されたが)
別エージェントで似たようなこと経験談。
これからいる人、すでに海外で活躍している人も含めやはり情報交換が大事。
特にこれから海を渡る選手はどんどん、現役の選手に連絡してください!
僕もDMなど気軽にお待ちしています。
※有料の部分はそーゆーことです。あえてそうしました。知りたい人だけ。
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ヨーロッパでの活動資金にします。あとものすごく喜びます。笑