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きっと未来につながる、ライブストリーミングの活況(2)
前回からのつづき。主要ホール閉鎖の中で見た、バイエルン州立歌劇場のオペラ『ユディト』、ロサンゼルス発、The Industryのオペラ『Sweet Land』につづいて、3月中旬から4月にかけて視聴したオンライン・コンテンツの中から、印象深かったものを紹介しています。
○取り上げた主なライブ
ドイツ・グラモフォン、世界ピアノ・デー10人のピアニスト
ベルリン・フィルのバルトーク
人々の団結を弾くコンラッド・タオ
イースターのミサのライブ
独仏のテレビ局アルテの連続ライブ
オランダ国立バレエとオペラ
スカラ座の現代オペラ作品
トーク・ライブも活況
葉っぱの坑夫 Journalで読む(約7600字)
最後のまとめ部分
とここまで、前回の(1)も含めて3月、4月に経験し、印象的だったライブ・ストリーミングを紹介してみた。この先、地域によってはロックダウンや外出規制が少しずつ解けてくる可能性はあるが、地球規模での警戒解除までには時間がかかりそうだ。その間、引き続き、劇場やカンパニー、演奏家などの個人がライブ・ストリーミングによる活動をつづけていくのではないか。そしてこのバーチャル・シアターというフォーマットは、世界が完全に安全になったとしても、残っていく、あるいはもっといろいろな形で発展していくのかもしれない。
ネットワーク社会というものが、思わぬ厄災によって急に進行したことは、ある意味興味深い。インフラも含めた設備・環境や人間の対応力も基礎はすでにできている。日本のような現金&ハンコ文化が根強い旧型の国でも、今後少しずつ変わっていく可能性がある。今回のことで思ったのは、インフラやスキル、対応力も大事だけれど、バーチャルな社会やその方法論に対して、心理的な面で違和感やギャップを減らしていくことが大きなポイントになるのかなと。未来はきっと、リアルとバーチャルを組み合わせることの中に、新しい方法論や可能性を見つけていくのではないかと思っている。