銭湯とビール
大通りから小道に入って坂を下ると、昔懐かしい雰囲気を残した建物が見えてくる。
夕方が近づくとなんだか懐かしい香りがするその建物の正体は銭湯だ。
近辺に古い建物を素敵に改装したお店が並ぶ中、この銭湯は元の姿のまま、
まるで時間が止まっているようだ。
そして、みるからに熱い湯を提供しそうである。
いつか行ってみようと思いながら、感染病の蔓延や自身の妊娠といった事情が続き、引っ越して2年経った今もまだ行けていない。
この銭湯のファンは多いようで、開店待ちの人をよく見かける。
真夏日の今日も例外ではなく、開店まで30分以上あるにも関わらず、
一人の男性が入口で開店を待っていた。
彼が本日の一番風呂だ。
汗だくで待っていた彼も今頃は、さっぱりしてビールでも飲んでいるのかもしれない。
あぁ、ビールが飲みたい。