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建築学生がやるべき建築設計の進め方①

 今回は大学や高校で建築を学び始めて「建築設計ってなんやねん?」って思っている人に向けて建築設計の進め方を解説したものです。建築を学んでいない人には全く関係ない内容です。誠にすみません。

 自由設計が始まって、建築設計って最初なにをやっていけばいいのかわかりませんよね?なにから手をつけて、どう進めればいいのか。そしてなにより、どんな手法があるの?ですよね。
そんな人のために、
1.最初になにから始めて、どう進めるか?
2.実例を元に進め方を説明する
3.建築設計にバリエーションをつくる6つの手法(次回)
の3段階で進めていきます。

参考文献 建築設計をめぐる7つの講義 建築のリテラシー
https://books.rakuten.co.jp/rb/15554014/

1.4つの領域と建築設計の進め方

 建築を進めていく上で、どこから始めるのかは設計者でバラバラです。しかし、それが大きく分けて4つあります。
CONTENXT:周囲との関係から設計をする。その建物の以外の要素から建築の外側から作る
RROGRAM:建物の用途や使用者の活動に適した寸法などから設計する。その建物自身の要素から建築の内側から作る
これら2つで建物の概念を形成します。
TECTONIC:モノとしてどう組み立てるか?柱とか、壁とかです。目に見えるモノです。
ENERGY:環境負荷をどうへらすか?エネルギーの使用量をいかにへらすかです。目に見えないモノです。
この2つで建築としてのモノを構成します。

スクリーンショット (231)

上の図は私がこれを表した図です。この4つのうちのどれかに着目しそこから他の領域に展開していきます。

2.4つ領域をもとにすすめる設計手順

 ここでは、実際の建物がどうやって出来ているのかを簡易的に進めていきます。4つの領域の内どれから始めているのか?そこからどう他に展開しているのかを重点的に説明します。

島根県文化芸術センター 内藤廣
0.PROGRAM
コンペのとして応募し、用途は事前に決まっている

1.CONTEXT
周囲の建物に赤瓦が使われており、それを使うこと地域なじませる。そして、地域の人々に受け入れてもらう

2.PROGRAM
中央に巨大な広場を作り、複数のホールと美術館を繋げる場所にする。

3.TECTONIC、ENERGY
・コンクリート躯体を瓦で覆い耐久性をあげる
(長期寿命によりエネルギー使用量を下げる)
・中央の広場を回り人々が居座る回廊を作る

4.CONTEXT
長期寿命に保つようにすることで建物が作られるエリアの活性化していくのを長期にわたって支えられる建物を作る

敷地リサーチしたときに、この地域独特の赤瓦に注目しました。それと複数の建物を中央の広場で繋げるを決めました。この2つから徐々に展開していき最終的に、建物をどうエリアに還元させるかまで考えていました。

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サヴォア邸 ル・コルビュジエ
1.TECTONIC
※近代建築の5原則を用いる(写真でオレンジで書かれたモノ)

2.PROGRAM
部屋の真ん中にスロープを往復させることで、時間による空間の移り変わり(シークエンス)を体験させる

3.CONTEXT
車社会が進んでいる時代背景だったため、1Fのピロティー部分を車で回れるようにした。

サヴォア邸のころはモダニズムの最盛期で場所のデザインがなく、環境配慮に対する意識を芽生える前だったためCONTEXTやENERGYがないがしろにされがちでした。しかし、4つをデザインすることが今日的な建築だといえるのかもしれません。

次回は、実際に建築設計をする上で役に立つ知識を6つに分類して説明します。

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