やっぱり奥深い、日本建築の良さとは?②
この記事の内容は、「独自の日本建築の誕生と発展 ”間(ま)・日本建築の意匠”を読んで」の続きとなっています。良かったら観てください。
前回の流れをおおまかに説明すると、①なぜ、日本建築の独自の概念”間”というのはどうしてうまれたのか?②それがどのようにして日本建築に影響を与え、発展していったかです。
三.垂直方向への発達”懸造”
上の写真を観たことありますよね。清水寺です。めちゃくちゃ有名な観光名所ですよね。この建物のなにがすごいって、やっぱりこの建物の下のところじゃないですか?
こんな感じですけど。これは”懸造”というもので、日本建築として縦方向に発展していった事例の1つだと思います。日本の建築というのは、平面的な発展が大きいです。理由としては、山から降りてきた神が平野に居座るために用意された建物が神社などで、当然平野で建築というのが発展していくからです。つまり、この懸造というものは日本建築では珍しい垂直性に発展したもの1つということです。
四.発展の限界、そして繊細へ
日本の建築というのは木という材料で出来ている、ということがかなり重要だと思います。それは建築の大きさにも影響します。ヨーロッパではかなり巨大な協会があり、産業革命直前まで大きく、大きくなっていく建築でした。しかし、日本は木ということがあり大きさの限界がヨーロッパよりも早くきます。その結果、日本建築は大きくし発展していく建築から繊細な造りに変換してきます。そして、その発展を私なりにひとことにまとめると「壁を使わず、繋がった空間内で多様な居場所を形成する建築」だと思います。それは、内部と外部を曖昧にする。以外にも1つの空間内で、立場権威の違いを空間構成で演出する。つくなどがあります。
四-一.交錯
”馬道(めどう)”という言葉を聞いた人も多いと思いますが、実は、あれは細長く伸びる建築に対して通行に不便ということでできた、建物の中にできた馬なども通れる土間の通路のことを指します。これが、連続する建築に対して、変化を与えるデザインとなっています。
四-二.不整形
日本の繊細の空間構成として代表的なものは”雁行形”の建物配置だと思います。雁行形とは簡単にいうと、上記の写真のように、ガタガタした建物になっていることです。この雁行形の建物の縁が通路となっていて、通る中で、光の入り具合や外部の見え方などが変化していきます。これにより通路という単一の空間に変化をつくりだすことができます。
四-三.借景(しゃっけい)
https://co-trip.jp/article/230977/
上の写真を見た人はいますか?インスタなどで有名なハートの形をした窓です。実はこれも日本建築な手法の1つ”借景”です。柱で構成する日本建築は当然、開放的になってきます。さらに、庇や軒のように、内部と外部の関係を深めていくような風習がある。そこで、屋内にいながら自然の風景を呼び込むことで、屋内にいながら自然を楽しむことができる。
四-四.最終奥義、回遊式庭園
日本建築の成長を振り返ると、木という素材が間という独自の概念を造りだし、そこから拡大、発展していき、繊細な空間構成となっていくという流れでした。後半の繊細な空間は分かりづらかったかもしれませんが、もうちょっと頑張ります。
なので、この繊細な空間が一同に体感できる場所を紹介します。それが”回遊式庭園”です。上の写真は回遊式庭園の代表兼六円です。ちなみに、前回の記事の最初の写真も回遊式庭園です。どこの写真か当ててみてください。
中央に大きな池を持ち、その周りを歩きながら、変化する景色を楽しめます。しかし、日本の文化や建築的になにもしらないとなにがいいのか分からないかもしれませんが、ちょっと学ぶと面白いものが見つかるかもしれないです。一度行った方もこの記事を読んで学ぶものがあったらもう一度いくとさらなる面白さが見つかるかもしれないです。