新たなまちのあり方「エリアリノベーション」①
私、個人の意見では雑誌などでみる建築はどれも似通っているようにみえてしまう。「繋がる」「開く」などのキーワードで語られることがほとんど。情報化が進み、使い手が大きくかわっているのに、いつまでも変わらない。
その中でリノベーションというのは次の時代を切り開く1つの手段だと思っています。できあがるものが似通ってしまうなら、できあがる過程を重要視する。すると当然、形の必然性が出てくるリノベーションになるからです。そして、そのリノベーションが複数集まって、町ごと変えてしまうエリアリノベーションとはなんなのか興味が出ました。
そんなとき、ちょうどいい本ありました。
参考文献 エリアリノベーション変化の構造とローカライズ 学芸出版社
※この本を元に私個人の見解を述べています。
この本では、日本の6つの都市で成功したエリアリノベーションの事例がとりあげられています。
この6つの都市を分析し共通する「従来とは違う基本構造」の変化を紹介し、それぞれがどのように発展していったかを9つの項目でローカライズしていく形です。
1.基本構造の変化
これから紹介する4つは、先程紹介した6つの事例で共通するコトです。これが新しいまちづくりの条件といっても過言ではないかなと思います。
1-1.マスタープラン型からネットワーク型へ
実は、「まちづくり」という概念はこの40年以上あまり変化していません。つまり、まちづくりという概念がうまれた時は成長することが当たり前の時代でした。その時代は中心から徐々に拡大していくため、新たな場所を作っていく時代にです。
しかし、拡大を前提としたままちづくりは今の時代に合っていません。なぜなら、人口が減少しているからです。そのため、拡大していくのではなく、拠点を作るのです。小さな拠点を作りその拠点と拠点が繋がっていく形で。中心を作るのではなく拠点をつくりそこを繋いでいく、このようなまちがこれから作られていくまちなのかもしれません。
1-1.使い手から作るまち
これまでのまちの作られ方は建築家、都市計画家などがまず計画を立て、それをゼネコンなどが作り、そして、すむ人が使います。
しかし、これからは使う人がどこに何を作るかを考え、それをどのように作ることが可能かを検討します。それで、終わることもあり、その後、建築家やデザイナーが図面を引くこともあるそうです。
つまり、使い手から問題点を抽出しそのまま即興で作ってしまう「ユーザー・トリブン・デザイン」ということかな、って思います。
この記事で、デンマークもこのユーザーから問題点を抽出する方法をとっていることがわかります。(しかし、デンマークはその先の先のデザインのことまで考えていて日本っておくれていますね。僕も頑張ります。)
1-1.横断していく職能
これまでは、建物の図面を書くまでは建築家、作るところまではゼネコン、売るのは不動産家みたいに、職能が別れていました。職能が別れているコトが悪いわけではないのです。ただ、これからは小さな点(拠点)を作るところから始めていくため、1つの会社がトータルで行うの方が最適だと思います。実際に長野・善光寺門前の事例でも「My room」という会社が不動産から建築、建設までをトータルでサポートしています。
1-1.いきあたりばったりが作る風景
これまでは、「計画する」ところからまちづくりを考えていました。それは国や大企業が統括して作っています。この結果、安定的で失敗しないまちを作れましたが、個性のないようなまちの量産を意味するのかもしれません。みなさんもどこにいっても大体まちの風景が一緒な理由って感じたことがあると思います。
だからこそ、これからは多少不安定でもいいし、多少不便でもいいから他のまちとは違う個性的なまちをつくっていく方が求められていると思います。これからもとめられる町は小学校の図画工作のような、無計画でいびつな工作的なまちなのだと思います。そんあワクワクをはらんだまちがみんながみたい風景なのだと思います。
次回は基本構造の次6つの都市でどのように発展したかを解説したいと思います。
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