構造デザイン講義 ~総論1~
構造とデザインの結びあった美しさ、そうしたものに対する手触りをつかんでほしい。
1. この講義の意図
「構造デザイン」とは奇妙な言葉だ。「構造」は物理的な仕組みのことであり、「デザイン」は人間の思考や感情をもたらす物だ。本来何の関係もない。しかし、そこを結びつける必要があると思う。構造にはある種の創造性が必要だと思うからだ。
2. 構造デザインの必要性
構造を解析するだけなら自動的にコンピュータで答えが出せる時代だ。しかし、今日、人に求められているのは構造、力、材料などに対して、豊かなイメージを持てるかだ。
この想像力が欠如してしまうと、コンピュータが想定しない事項が重なることで事件が発生する。
さらに、コンピュータによりデメリットはその計算過程が複雑になることだ。昔は、役所の方や、施工者などが部分的に補助したりして、何段階もチェック機能があった。しかし、コンピュータで解析することで、エンジニア以外誰も分からないようなブラックのようになってしまった。
3. 構造デザインの意味
内藤さんのもつ「構造」「デザイン」の意味
「構造」→1Gの重力場で地球上の物質を使って人間の生活を可能にする場を構築すること
「デザイン」→翻訳すること
構造は人間が生活するためのシェルターや構築物を創ることだ。一方、デザインが少し曖昧なところがある。多くの人が使うが改めてみると全く本質がわかっていない。だからこの本では「翻訳」という風に定義した。
4. 3つの翻訳
4.1技術の翻訳
専門家以外の人にはその技術の良さやスピリットがわかりやすく伝える必要がある。なぜなら、専門家以外の人は直感で理解するからだ。
技術を生み出す価値を一般の人が理解できるようにすることがデザイン(=翻訳すること)だ。そうすることで初めて技術は社会に開かれる
次回、3つの翻訳「場所の翻訳」から要約していく
参考文献 「構造デザイン講義」