"環境デザイン講義"を読んで

 私はこの「環境デザイン講義」で内藤さん伝えたかったことは、1つだけだったと思う。“環境を人間の側から考える”
 そのために、講義の進め方は「五輪」(注2)で進めた。空・風・火・水・地という世の中の構成原理から環境を捉える。そうすることで、温度が何度、明るさが何ルクスなどの数字から捉えていくのではなく、人が肌で目で耳で感じる側から考える。そうすることで、アカデミックな快適な環境ではなく、真に快適な空間が作れる。数字はその補強材料だと私は思った。
 また、人側考えていくと繋げて考える必要がある。例えば、熱でいえば人間がなぜ暖房や冷房をつかうのかは、“核心温を37℃にするためだ”だから、服を着るのも、部屋の温度を暖めるのも本来は同じ目的なのだ。そう考えると冷房だけに頼るだけでない新しい環境が生み出せるかもしれない。
 最後にこの本で一番好きな文を書いて終わります
“状況を判断するための基礎的な知識、その事柄に対しての可能性を引き出す豊かな想像力と瞬時に危険を察知する優れた勘が求められる優れたプロフェッショナルとは、知識はもちろんのことこの想像力と勘を携えたモノのことをいうのだと思っている。”

注釈2 五輪:密教において創始された塔形で上方より団形・半球形・三角形・球形・方形の5部で構成され、空・風・火・水・地の5大で表す

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