08 尻拭い2
本家でも私たちの居場所はなく、私達はいとこが使っていた部屋に引きこもり、肩身の狭い思いをしながら暮らしていました。
伯父さんも伯母さんも、家業を続けるのに手一杯で、私達に対して親子のように接してくれることはありませんでした。
本家の伯父さんは私達の未成年後見人となり、両親が遺してくれた生命保険と土地の管理をすることになりました。
未成年後見人は度々役所からの呼び出しや、書類への記入など、細々としたお仕事があります。それらのお仕事を、市役所が開いている時間帯にしなければなりません。
商売をしている人が、商売に専念しなければならない時間帯に、商売以外の仕事をしなければならない。伯父さんにとってこれはかなりのストレスだったようです。
そんな面倒なお仕事をこなすたび、「何で俺がアイツの尻拭いをしないとなんねぇねんだ」と伯父さんはつぶやきました。
私はその言葉を耳にするたびに、とても申し訳ない気持ちになりました。
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